テレアポは「数をこなせば成果が出る」と思っていませんか?成功率を上げるには、電話をかける時間帯の最適化がアポイントの獲得に大きく影響します。
例えば、午前10時はつながりやすいのに午後15時は断られやすいなど、業界ごとにつながりやすい時間と避けるべき時間が存在します。
本記事では、業界別の最適なテレアポの時間帯やアポ率を上げるための実践的な方法をご紹介します。
「無駄な架電を減らしたい」「効率的にアポイントを獲得したい」という営業担当者は、ぜひご一読ください。
こんな方におすすめ
✓ テレアポのつながりやすい時間帯を知りたい方
✓ 架電数は担保しているが成果に伸び悩んでいる営業担当者
✓ 電話営業の効果的なアプローチ手法を模索している管理者
テレアポは時間帯で成功率が変わる

テレアポの成功率はただ闇雲に架電をするのではなく、つながりやすい時間帯を狙うことで大きく変動します。
弊社のインサイドセールスBPO事業において、医療・クリニックを対象にテレアポのデータを分析したところ、接続率が高い時間帯が10時~12時と14時~16時という結果になりました。
特に、11時~12時の接続率は23.2%と最も高く、午後の診療開始前の時間帯と比較すると3倍以上の差がありました。
このデータを活用し、最適な時間帯に集中して架電をすることで月間アポイント目標数の達成に貢献しています。

このように、業界特有の業務スケジュールを考慮した時間帯戦略を取り入れることで、接続率の向上に期待が持てます。
ただし、最適な時間帯は業界ごとに異なるため、ターゲットの行動パターンを分析し、戦略的に架電時間を選定することが重要です。
なぜ、時間帯が重要なのか?
テレアポの成功率が時間帯によって変わる理由は、相手の心理状態と業務スケジュールに影響を受けるためです。
相手の心理状態と影響
・忙しい時間にかかってくる電話は「余計な仕事を増やされる」と感じる
→「電話に出てもらえない」「今忙しいので」と断られる
・業務に集中している時は電話に出ても話を聞く余裕がない
→「結構です」「大丈夫です」と断られる
・リラックスしている時間帯は話を聞く余裕ができる
→落ち着いて話ができる可能性が高く、アポイント率が向上する傾向にある
架電では、どんなに良い提案でも相手が話を聞く余裕がないタイミングでかけると、断られる確率が高くなります。
テレアポの成功には、相手のつながりやすい時間帯を把握し、適切なタイミングでアプローチをすることが大切です。
【業種別】テレアポのつながりやすい時間帯一覧
では、どの業種に何時ごろ電話をかければ良いのでしょうか。ここでは、業界ごとに最適な時間帯と避けるべき時間帯を解説します。
ターゲットに初めてアプローチをする際は、以下の架電時間を目安に営業戦略を立ててみましょう。

飲食・小売業
飲食・小売業は、お客様が混雑するランチタイムやディナータイムを避けて架電をします。忙しい時間帯は、オーナーや店長が出勤していても対応できない可能性が高いため、アイドルタイムが効果的です。
また営業中は店頭に立つ時間が多く、メールをチェックする頻度も少ない傾向があります。テキストメッセージは、ショートメールの活用や余裕を持って連絡することを心がけましょう。
〇つながりやすい時間帯
14:00~16:00(ランチ営業が落ち着くアイドルタイム)
×避けるべき時間帯
11:30~14:00(ランチタイムのピーク)
関連記事:【導入事例あり】インサイドセールスの効果的な時間帯は?飲食店求人アプリの支援実績から学ぶ成功の秘訣
医療(診療所・クリニック)
医療機関では、診療時間中は電話に出られないケースが多いです。そのため、診療時間の前後や合間にかけると対応してもらえる確率が高まります。
架電する際は、事前にメールやFAXでアプローチをしておくと電話を受けてもらいやすくなります。
〇つながりやすい時間帯
11:00~12:00(お昼休憩前)
14:00~16:00(午後診療の合間)
×避けるべき時間帯
12:00~14:00 (お昼休憩)
IT・広告・コンサル業
IT・広告・コンサル業は、クライアント対応や社内ミーティングの頻度が高い業界です。始業時刻の直後は朝礼やメール確認などの業務があるため、取り次いでもらえないことがあります。
リモートワークを導入している企業は、メールやフォーム営業のアプローチも有効です。
〇つながりやすい時間帯
10:00~11:30(朝の業務が一段落する時間帯)
14:00~16:30(午後の商談・業務の合間)
×避けるべき時間帯
9:00~10:00(朝の業務開始直後)
12:00~13:00(お昼休み)

美容室・理容室
美容室・理容室の営業時間中は接客に集中しており、電話に出られる時間が限られます。一般的には、営業時間の前や施術前後の時間帯が望ましいとされていますが、変動があるため担当者に対応しやすい時間を聞くのがおすすめです。
〇つながりやすい時間帯
9:00~10:00(営業開始前)
14:00~16:00(午後のアイドルタイム)
×避けるべき時間
11:00~14:00(ランチ前後のピーク時間)
16:30~20:00(夕方~夜の予約が集中する時間帯)
旅館・ホテル業
旅館やホテル業へのテレアポは、午前のチェックアウトから午後のチェックインの合間の時間にかけることで話を聞いてもらいやすくなります。
また、朝食や夕食の時間帯はお客様対応が発生するため避けるのがマナーです。
〇つながりやすい時間帯
11:00~12:00(チェックアウト対応後の時間帯)
14:00~16:00(チェックイン開始間の準備)
×避けるべき時間帯
9:00~11:00(朝食・チェックアウト対応)
16:30~20:00(夕食・チェックイン対応)
製造・工場
製造業の工場長や生産管理担当者は、生産ラインの稼働後から昼食後の時間帯がアプローチに適しています。
複数の拠点を持つ工場では、権限が本社にあるケースや担当者が拠点を巡回している場合もあるので確認が必要です。
〇つながりやすい時間帯
10:00~12:00(生産ラインの稼働時刻)
14:00~15:00(昼食後)
×避けるべき時間帯
12:00~13:00(お昼休憩)
【事例で検証】テレアポがつながりやすい曜日
テレアポでは、時間帯だけでなく担当者に接続しやすい曜日があるのをご存じでしょうか。
実際にインサイドセールスBPO事業を行う弊社のテレアポデータを集計したところ、各業界において曜日ごとに顕著な違いが見られました。
ここでは、これらの業界別データをもとに「どの曜日にテレアポをするとアポが取れやすいのか」、「避ける曜日は?」などの疑問について解説します。
飲食業のつながりやすい曜日

分析と考察
飲食業では火曜日・木曜日の担当者接続率が高く、定休日が多い水曜日や繁忙期の週末はやや低下しています。架電をする際は、事前に定休日や営業時間をホームページで確認することにより、効率的なアプローチが可能です。
つながりやすい曜日:火曜日・木曜日
避けるべき曜日:水曜日
食品・製造業のつながりやすい曜日

分析と考察
食品・製造業では週初めの月曜日・火曜日は、担当者が離席しているケースが多く電話に出にくい傾向があります。一方で水曜日・木曜日・金曜日は、業務が落ち着くため接続率が20%以上と高い数値を記録しました。
つながりやすい曜日:水曜日・木曜日
避けるべき曜日:火曜日
医療・クリニックのつながりやすい曜日

分析と考察
医療・クリニックでは、週初めの月曜日は診療が立て込み電話対応が後回しになりがちです。水曜日は、午前診療のみの医療機関が多く接続率が30%を超える結果となりました。
つながりやすい曜日:水曜日
避けるべき曜日:月曜日
小売(アパレル・美容・生活用品)のつながりやすい曜日

分析と考察
小売(アパレル・美容・生活用品)業界では、土日の繁忙期を終えた月曜日が比較的電話に応じてもらえる確率が高いです。客足が増える週末にかけて低下傾向になっています。
つながりやすい曜日:月曜日
避ける曜日:金曜日
つながりやすい時間帯にアポ率を上げる3つのコツ

テレアポの成功率を高めるには、業種ごとのつながりやすい時間帯に注力するだけでは不十分です。
「担当者に接続できたが興味を持ってもらえない」といった営業課題を解決するには、顧客の心理状態に適したアプローチが重要になります。
ここでは、アポ率を最大化するための3つのコツを解説します。
トークスクリプトの最適化|顧客状況に応じたシナリオ設定
相手の状況に合わせたトークスクリプトを用意することで、相手の関心を引き出しアポイント獲得までの流れを円滑にします。具体的には、以下の3つのシナリオ設計が有効です。
1.課題解決型アプローチ
「〇〇業界では△△の課題が増えていますが、御社ではいかがでしょうか?」
→相手に課題を考えさせる質問を入れて興味を引き出す
2.成功事例型アプローチ
「同業種の企業様からは〇〇が解消したというお声をいただいております」
→業界内の成功事例を話すことにより、活用場面を想定しやすくなる
3.情報提供型アプローチ
「情報収集の一環としてお時間いただけないでしょうか?」
→役立つ情報を提供するというスタンスを取り、アポイント承諾のハードルを下げる
関連記事:営業トークスクリプトの作り方!テレアポの質を高める運用方法を事例で解説

SFAやCRMの活用|時間帯ごとのアポ率をデータで分析
テレアポは業界ごとにつながりやすい時間が異なるため、自社のターゲットにとって最適な時間帯を見極めることが大切です。SFAやCRMなどのデジタルツールを導入し、成果を可視化しましょう。
検証方法
1. 架電する時間帯を変える
初回のアプローチは「午前」、つながらなかった場合は「午後」のように時間を変えてテレアポを実施する
2. SFAやCRMを活用し、接続率・アポ率を記録する
成功率の高い時間帯を特定するために、午前の接続率35%、午後の接続率28%といった時間別の統計を抽出する
3. 架電リストの再構築を行う
最適な時間を抽出した後は、アポ率が高い時間帯に集中して架電を実施しアプローチの効率化を図る
関連記事:今日から使える!テレアポで受付突破するフレーズと5つのコツを公開
フォローコールの徹底|次回アクションの設定と実行
「資料を見てから検討します」「今は忙しいのでまた連絡してください」と言われた場合は、次回アクション予定日を明確にして計画的にフォローコールを行います。

適切なタイミングを逃さずにアプローチをするには、以下の要素が重要です。
1.次回アクションの設定
・「いつ頃でしたらお時間をいただけますか?」
→具体的な日程を確認する
・「〇日までにご検討いただき、△日に改めてご連絡させていただきますね」
→合意を得る
・「資料を送付させていただきますのでご確認ください」
→次回アプローチのきっかけを作る
2.フォローコールを成功させるためのトーク例
・「〇日にお送りした資料はご覧いただけましたか?」
→進捗と検討状況を確認する
・「資料と合わせてご説明のお時間をいただけないでしょうか?」
→再度アポイントを打診する
・「前回おっしゃっていた課題に対する事例をご紹介させてください」
→前回のアプローチ内容を踏まえたトークでアポイントの承諾を後押しする
関連記事:営業アポ取りで成果を出すには?押し売り感ゼロの切り返しトークと成功事例を公開

まとめ:テレアポは時間帯×アプローチの最適化が成功のカギ
テレアポを成功させるには、架電数を増やすだけではなく業種ごとにつながりやすい時間帯や曜日を理解し、適切なアプローチを実施することが重要です。
本記事でご紹介したテレアポのデータから分かるように、業界によって最適な架電タイミングは異なり、時間帯を意識することで接続率が大きく変わります。
またトークスクリプトの工夫やフォローコールの徹底など、アプローチ方法の最適化も重要な要素です。下記のポイントを抑えて、テレアポの成功率を向上させましょう!
テレアポ成功のポイント
・SFA・CRMツールを活用して業界ごとに最適な時間帯・曜日を把握する
・顧客心理に合わせたアプローチ手法をトークスクリプトに落とし込む
・フォローコールや資料送付などで接点回数を増やし、信頼関係を築く
豊富な業界知識を活かしたアウトソーシングで貴社の営業活動を支援
弊社のインサイドセールスBPO事業では、ターゲットに応じた最適なアプローチ戦略の設計、SFA・CRMを活用した営業の効率化を支援しています。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


IS factory magazine(アイエス ファクトリーマガジン)編集部です。2022年開設。
定期的にインサイドセールスや営業に関するノウハウ、セミナー情報を発信しています。