「働き方改革」という言葉の通り、昨今はリモートワークの普及が広まり、全国各地場所を問わずに働ける会社が増えてきました。しかし、リモートワークが普及する一方で、新たな課題も浮かび上がっています。
今回は「リモート環境下におけるコミュニケーション不足」という問題に着目し、会話が不足することで起こる事象や、コミュニケーション不足を解消するための方法を解説していきたいと思います。
ぜひ最後までお読みいただき、課題解決のヒントになれれば幸いです。
― こんな方におすすめ ―
✓ 社員との接し方に悩んでいる方
✓ リモート環境下で部下との距離を掴みにくいと感じている方
✓ マネジメントを強化したいと考えている方
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リモートワーク環境下の課題
日本労働組合総連合会の「テレワークに関する調査2020」によると、テレワークのデメリットに感じていることに関して「上司、同僚とのコミュニケーションが不足する」と回答した方が約4割という結果になりました。
(参照:https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/)
このことから、「リモートワークは出社環境とは違い、直接会って話す時間を作れない」と会話不足に課題と感じている企業が多く存在していることが分かります。
オフィスに出社していれば気軽に話せる質問も、顔が見えない環境で相手の様子を伺いながら仕事をしなければいけません。
では、コミュニケーションが不足するとどのような問題が発生するのでしょうか。今回は段階ごとに分けて5つご紹介していきます。
コミュニケーション不足により起こる問題
①信頼関係の悪化
一つ目の事象が「信頼関係の悪化」です。会話が不足することで、不信感や嫌悪感を抱くようになり、相手に対して信用を失っていきます。
しまいには、『この人とは話しても無駄だ』と気持ちを閉ざしてしまうようになり、思っていることが言えない環境になる可能性もあるのです。
②トラブルの増加
業務を遂行していくうえで欠かせない情報伝達が滞ると、トラブルの発生に繋がりかねません。
チーム間で共有しておかなければならない情報の共有や報連相がなくなることで、顧客を巻き込んだ大きな問題に発展するケースもあります。
③精神的ストレスの負担
信頼関係の悪化やトラブルが続出していくと、精神的にも不安定な状態が生まれます。
相談しにくい環境がつくられることで「次もまた失敗したらどうしよう…」と、周囲を頼れない状態が続き、心理的安全性も低下していくでしょう。
④モチベーションの低下
自分の意見や考えを伝えられない状態が続くと、次第にモチベーションも低下していきます。
自主的な会話が発生しないことで社内にノウハウが蓄積されず、スキルも成長していきません。一人で黙々と仕事を進めるのも大切ですが、分からないことは上司に相談するなどしてタスクを遂行していくほうが効率よく仕事を回せます。
⑤早期離職に繋がる
モチベーションが徐々に低下していくと、「もっと働きやすい職場に転職したい」と、早期離職に繋がる可能性もあります。
また、現代はSNSが発達しているため、窮地に追い込まれた社員が会社の情報をネットに書き込んで大きな問題になるという可能性もゼロではありません。
これらのように、コミュニケーション不足によって起こりうる問題は数多く存在します。
最悪のケースが起こらないためにも定期的に社員のメンタルケアに努め、日々のコミュニケーションを取っていくことが必要です。社員の悩みを聞き、解決策を一緒に考えることで退職を防げるケースもあります。
<そのほかストレス解消法に関する記事はこちら>
コミュニケーション不足の解消方法
コミュニケーション不足により起こる問題を理解したところで、負のスパイラルが起こらないために行うべき解決策をご紹介していきたいと思います。
①その日の予定を可視化する
リモートワークで仕事をしていると、「働く人の顔が見えない分、いま誰が何をしているのか分からない」という状況に陥りやすくなります。
業務の属人化を防ぐためにもカレンダーに予定を登録しておくのがおすすめです。予定の確認ができれば空き時間に通話やミーティングを設定できるようになり、いざ相談事があった時にも動けるので、メンバーの心理的不安を取り除くことができます。
②コミュニケーションツールを導入する
リモートワークを導入する企業は、コミュニケーションの弊害を課題としている企業も多く、ツールの導入を検討する企業が増えています。
現在はビデオ会議やバーチャルオフィスといったコミュニケーションツールが多く展開され、誰でも簡単に始められるようになりました。
PCやシステム操作が苦手な方でも、シンプルな操作で気軽に始めることができるので、ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
③部署をまたいだ交流の機会をつくる
社内イベント等を通してチーム外の方と交流する機会をつくると、自然と他部署の仕事を知るきっかけになります。
チーム間の交流も仕事を進めるうえで大切な時間ですが、異なる部署の方達と接することで互いの相互理解を深め、新しいビジネスの可能性を広げることができるのです。
チームで相談できない課題も、他部署の方には意外と相談できるなんてこともあるので、チームに限らず社内の方と接する時間を作ってみてはいかがでしょうか。
弊社でも月に一度社内イベントを実施しておりますので、ぜひ運営の参考にしてみてください。
【社内イベントに関する記事はこちら】
④コミュニケーションガイドラインを設定する
会議やイベントを開く際、会社で大まかなコミュニケーションルールを設けていますか?
せっかくのビデオ通話も相手が常にミュートにしていたり、ビデオをOFFにしていては一方通行な会話になりかねません。会議の時は画面と通話をONにする、質問にはなるべく早いレスポンスを心がけるなどしてルールを設けておくと良いでしょう。
ルールを定めておくことで双方円滑に情報伝達できるようになり、スムーズな連携が見込めます。
⑤相談窓口を設置する
一般的に、「相談相手は直属の上司」というケースが多いですが、いざ上司が体調を崩して休んだり、関係が悪化した時に相談できる人は周りにいますか?
「誰に相談したらいいか分からない」といった事態が起こらないためにも、相談窓口を設定しておくのがおすすめです。チームリーダーが休んだらマネージャーに連絡するなど、前もって報告する相手が分かっていれば相談もしやすくなります。
おわりに
今回は、リモートワーク環境下で起こるコミュニケーションの問題と解消法をご紹介していきました。
オンラインだと距離感がなかなか掴めず、社員とどう接したらいいのか悩む方も多いと思います。相手と意思疎通が取れないことで大きなトラブルに発展する可能性もあるのです。
これまであまり社内で発言してこなかった方も、これを機に勇気を出して話しかけてみてはいかがでしょうか。
トラブルの原因を防ぐためには双方の歩み寄りが大切です。この記事を通してコミュニケーションが不足するとどのような問題が発生するかをよく理解し、積極的な会話を心がけていただけたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
IS factory magazine編集部です。2022年開設。
定期的にインサイドセールスや営業に関するノウハウを発信しています。