「受付で止められて担当者に繋がらない」
「”結構です”のひと言で電話が切られてしまう」
こんな悩みを抱える営業マンは少なくありません。新規営業の最初の壁となるのが”受付ブロック”。ここを越えられなければ提案の機会すら得られないのです。
しかし、実際に弊社インサイドセールスの現場で成果を出しているメンバーたちは、突破を狙っていません。むしろ「受付で断られない設計」を仕込み、繋がる確率を上げています。
本記事では、弊社のインサイドセールスメンバーが日々の架電で実践している”受付断りにならないための方法”を詳しく解説。トークスクリプトから対応の工夫、事例ベースの戦略まで、営業現場で今すぐ活かせるノウハウをお届けします。
なぜ、受付でブロックされるのか?よくある断り文句とその心理

「受付ブロック」とは、営業電話を受けた受付担当者が、担当者に繋がず”お断り”の対応をしてしまうこと。ではなぜこのような状況が頻発するのでしょうか?
実際の現場で多くみられる”断り理由”は以下の通りです。
■受付が使う定番の断り文句
・「営業のお電話はお断りしています」
・「新しい取引は行っていません」
・「今は忙しいのでまたにしてください」
・「担当者がいません/在籍していません」
・「必要であればこちらからご連絡します」
・「結構です」(話の途中で遮られる)
・(ガチャ切り)
■受付の立場と心理
受付は企業の「守りの要」。知らない相手を容易に社内に通すことはリスクであり、基本的には”断ることが前提の対応”です。
多くの場合、受付担当者は営業内容を把握しておらず、ただ「見知らぬ人を通さない」よう求めているにすぎません。
また、以下のような特徴もあります。
・トークが長い
→「営業臭」が強く、即断対応されやすい
・要点が不明瞭
→「怪しい」「売込みっぽい」印象に
・担当者不明
→「繋ぐ理由がない」と判断される
つまり、営業が「突破しよう」とするほど、受付の”警戒スイッチ”が入ってしまうのです。
<顧客心理についてもっと詳しく知りたい方はこちら>
【これでテレアポも怖くない!?】顧客心理を攻略して4つの不を解消!
▼断り理由の切り返しに使えるお役立ち資料はこちら

突破よりも「断られない」ための営業戦略を設計しよう

受付の壁を乗り越えようとするのではなく、「壁にされない」。これが、インサイドセールスの場で導き出された実践的な結論です。
受付突破に失敗する営業マンの多くが「担当者に繋げること」に意識を集中しています。しかし、受付は担当者ではありません。受付に営業力を向けても、本質的には意味がないのです。
弊社インサイドセールスメンバーは”以下の3点”を意識しています。
ポイント①受付に断る理由を与えない
・トークは簡潔に
・情報を詰め込まない
・不在時は「また改めます」と軽やかに引く
ポイント②「また改める」で未来をつくる
1回で決めようとせず、”情報収集と布石の一環”として考えることが大切です。
例えば、
・採用担当者がいない→在籍時間を確認
・募集していない→時期を確認して再連絡
・今は忙しい→1週間ずらしてリトライ
など、断られたように見えても、”次に繋がる情報”が得られれば、それは成功です。
ポイント③過去のリストに執着しない
ブロックされやすいリストは、一時的に後回しにし、温度感の高いリストにリソースを割く判断も重要です。戦略的なアプローチが、時間と労力を最適化します。
インサイドセールス現場で行っている切り返し例【ケース別に紹介】
ここでは、インサイドセールスチームが現場で実際に使っている”受付断り回避トーク”をパターン別に紹介します。
ケース①:「担当者はいません」
切り返しトーク:「また改めますので、お戻り時間を教えていただけますでしょうか?」
ケース②:「今は必要ない」
切り返しトーク:「承知いたしました。ちなみに、過去に○○(例:システム)を必要とされていた時期などがありましたら、参考までに教えていただけますでしょうか?」
「では、また後日改めさせていただきます」
ケース③:「今は忙しい」
切り返しトーク:「承知いたしました。では、来週またお電話いたしますので、ご都合のよろしい日時を教えていただけますでしょうか。」
参照:今日から使える!テレアポで受付突破するフレーズと5つのコツを公開
ケース④」「必要があればこちらからご連絡します」
切り返しトーク:「念のため、私の連絡先をお伝えさせていただきます。ご関心がありましたらお気軽にご連絡ください。」

受付ブロックを避ける”営業戦略”とは?
実は、成果が出るかどうかは”トークの上手さ”よりも”準備と仕組み”のほうが重要です。
ここでは、実際にインサイドセールスメンバーが実践している施策をご紹介します。
■現場で実践している施策一覧
・呼び出し担当者のABテスト
→「営業担当者」や「○○支援のご担当者」など、担当者の呼び方を工夫する
・別アプローチを用意
→キャンペーン・資料提供・業界トピックなどを切り口に架電
・受付ブロックされたリストの優先順位を下げる
→時間と工数の最適化。2~3か月後に再アプローチ
・在籍時間のヒアリングをルール化
→2回目以降の電話で「○○さんは午前中に在籍されていることが多いですか?」など、具体化する
これらの施策がどのような成果に結びついたのか知りたい方は、以下の資料も参考にしてみてください。
<インサイドセールス活用事例集を無料でダウンロードする>

営業電話が”受付で好印象”になるためのマインドセット

営業はテクニックだけでなく、営業側の”在り方”そのものが受付対応に大きく影響します。受付ブロックに悩んでいる方ほど、ここで差がつきます。
意識しておきたい3つのマインド
1. 受付=通話相手の最初の顧客と考える
→売り込む相手ではなく、接客する相手として対応することで好印象に変わる
2. 一発で決めようとしない
→テレアポは”初回接点の創出”。一度で繋がらなくても、次に繋がる布石を残せばOK
3. 自分の情報を”置いてくる”意識
→「もしよければ、こちらの番号もお伝えください」と情報を残すことで、心理的な接点をつくる
受付ブロックされにくいトークテンプレ【3パターン】
最後に、電話営業の型として使えるテンプレートを3つご紹介します。導入文を見直すだけで受付の反応が大きく変わることもあります。
■初回アプローチ用(例:採用系)
「お世話になっております。株式会社○○の△△と申します。突然のお電話失礼いたします。
私共は採用支援を行っておりまして、御社の採用状況について簡単にお伺いしたく、ご担当者様はいらっしゃいますでしょうか?」
→NGの場合
「承知いたしました。また改めてお電話させていただきますので、差し支えなければご担当者様の在籍時間などお伺いできますでしょうか。」
■不在/断られた後の再架電用
「お世話になっております。株式会社○○の△△と申します。先日、お電話させていただいた○○の件で、△△(担当者名)様に改めてご連絡いたしました。本日△△様はいらっしゃいますでしょうか?」
■トークに変化をつけたいとき
「採用のご相談でお電話いたしましたが、今回は△△様に直接ではなく、今後のご参考としてお伝えできればと思っております。少しだけお時間よろしいでしょうか?」
おわりに | 受付突破ではなく”受付に断られない”営業を目指そう

テレアポにおける「受付突破」は営業の永遠の課題ですが、無理に突破を狙えば狙うほど、相手の警戒は強まります。
私たちインサイドセールスの実践から得た結論は、受付に断られない工夫を積み重ねることが最も効果的ということ。
「粘らず、アプローチタイミングをずらす」「断られないトークを仕込む」ことで、成果に結びついています。もし今、受付突破に行き詰まりを感じているなら「突破」ではなく「断られない工夫」にフォーカスしてみてください。
私たちは、こうしたアプローチ戦略の設計から、トーク改善、KPI設計、実行支援まで、インサイドセールスを成果に繋げるサポートを行っています。
少しでもご興味をお持ちいただけた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

営業活動がより前に進むよう、現場視点でご支援いたします。

IS factory magazine(アイエス ファクトリーマガジン)編集部です。2022年開設。
定期的にインサイドセールスや営業に関するノウハウ、セミナー情報を発信しています。
