仕事をしていると、「業務が思うように進まなくてイライラする」、「部下のミスについ腹が立ってしまった」など、仕事中にイライラしてしまった経験はありませんか?
人は誰しも、生きていくなかで「怒り」の感情はつきものです。
日本アンガーマネジメント協会によると、全国の20歳~59歳までの男女約450人を対象に『怒り』に関するアンケート調査を実施したところ、「1日に2回以上はイライラすると」と答えた方が約8割という結果が出ています。
(参照:https://www.angermanagement.co.jp/blog/blog_information/2893)
ただし、怒りの感情を爆発させてしまうと、相手に対して攻撃的になり、挙句の果てには社員から「パワハラ上司」なんて言われてしまう可能性も…。
今回はそういった「怒り」と向き合っていくために、怒りのメカニズムやタイプを理解し、感情をコントロールできる術をお伝えできればと思います。
ぜひ最後まで読んで参考にしていただければ幸いです。
― こんな方におすすめ ー
✓ 日々の生活でイライラしてしまうことが多い方
✓ 感情をコントロール出来ず、つい感情的になってしまう方
✓ イライラしてしまった時の対処法を知りたい方
怒りの構造
アンガーマネジメントをご紹介する前に、怒りの構造について知っておく必要があります。
怒りは段階を踏むことで発生するものであり、一次感情が引き金となってそれが怒りに変わると言われています。
コップの水に例えると、日々の生活で不安や辛さ(一次感情)が溜まり、水が溢れ出してしまうことで怒りの感情(二次感情)となり表れます。
初めから怒りという感情が生まれるのではなく、何かしらの「一次感情」が生まれて起きるということを覚えておいてください。
アンガーマネジメントとは
怒りのメカニズムを理解したところで、アンガーマネジメントとは何かというのをお話していきたいと思います。
アンガーマネジメントは
アンガーマネジメントは「怒り(英語でアンガー)を管理(マネジメント)する心理的手法」のことです。怒らないことではなく、怒りの感情をコントロールして上手につき合うことを意味しています。
アンガーマネジメントは1970年代に米国から始まり、心理教育として取り組まれたのがきっかけです。ちょうどその頃、DV(ドメスティックバイオレンス)が問題視され始め、社会課題を解決するための術としてアンガーマネジメントが発展するようになりました。
日本でも「6月6日はアンガーマネジメントの日」として制定され、今では会社の研修として取り入れている企業も多くいます。
アンガーマネジメント診断
日本アンガーマネジメント協会では、無料で診断できる「アンガーマネジメント診断」があります。
この診断では怒りのタイプを大きく6つに分け、自身の怒りの傾向を知ることができます。まだ一度も診断したことないという方は、ぜひ試してみてください。
【診断はこちら】
無料アンガーマネジメント診断 | 【公式】日本アンガーマネジメント協会あなたの怒りは何タイプ?1分で診断!www.angermanagement.co.jp
6つの怒りのタイプ
ではここで、怒りのタイプを6つご紹介していきます。
①公明正大タイプ
正義感が強く、周りから信頼されやすいのが特徴です。マナーや秩序を大切にし、ルールを必ず守るため、規則を破るような人にイライラしてしまう傾向があります。正しさを追求するあまり、他人の言動にもつい口出ししてしまうことも。
②博学多才タイプ
ポテンシャルが高く、どんなことにも妥協せずやり遂げるタイプです。ストイックなため、自分だけでなく相手にも完璧を求める傾向が。白黒はっきりさせたい性格なので、曖昧な意見や優柔不断な対応に怒りの感情を抱きます。
③威風堂々タイプ
統率力があり、頼りがいのあるリーダー的存在です。プライドが高いので望んでいた通りに事が進まない時や、他人から厳しい評価を受けたときに怒りが湧きます。
④外柔内剛タイプ
一見、穏やかそうに見えますが、芯の部分はしっかり持っているタイプです。頑固なところがあるため自分が決めたルールに反して他人から行動を制限されるとストレスを感じ、イライラしてしまうことが。
⑤用心賢固タイプ
慎重派で物事に対して冷静に判断し、時間をかけて進めていく人です。警戒心が強いタイプなので人とは一定の距離を取る傾向があります。それほど親しくない相手からプライベートな質問をされたり、自分のパーソナルスペースに介入されると怒りを感じます。
⑥天真爛漫タイプ
裏表がなく真っすぐで、自分を素直に表現することができます。ですが、ストレートすぎるあまり失言してしまうことも。自由気ままに行動するため、行動を制限されたり、思うように動けないとイライラしてしまう傾向があります。
アンガーマネジメント実践方法
怒りをコントロールするには、5つのステップを踏むことで怒りをコントロールしやすくなります。
怒りをコントロールする5ステップ
①怒りを鎮める6秒ルール
②ほかに意識を集中させるグラウンディング
③その場を離れるタイムアウト
④客観視して考える感情の数値化
⑤怒りの捉え方を変えるリフレーミング
ステップ①怒りを鎮める6秒ルール
アンガーマネジメントの代表的な例ですが、6秒ルールとは怒りの感情が湧いた時に心の中で6秒間数え、気持ちを落ち着かせる手法です。
怒りというのは波のように押し寄せてくるため、呼吸が荒くなりがちです。どれだけ腹が立っていても怒りのピークは6秒と言われているので、まずはゆっくり深呼吸し、6秒間数えて気持ちを鎮めましょう。
ステップ②ほかに意識を集中させるグラウンディング
グラウンディングという手法は、近くにある椅子や飲み物に目を向けて別のことに集中させるテクニックです。
イライラが長時間続いていると、そのことから頭が離れなくなり、余計ネガティブな感情を抱きやすくなってしまいます。怒りの感情を忘れるためにもグラウンディングは有効です。
ステップ③その場を離れるタイムアウト
感情がヒートアップしてしまうと相手との関係が悪化してしまい、大きな問題になりかねません。
感情を押さえられなくなった時はその場を立ち去ることも必要。時間を空けることで冷静に考えられるようになり、問題を対処することができます。
ステップ④客観視して考える感情の数値化
怒りを感じたら100点満点中どれくらいの怒りを感じているのか数値として考えるのも有効です。数字に表すことで、なぜこの点数なのか要因を具体化することができ、自分自身を俯瞰して見られるようになります。
また、感情的になったら日記として記録しておくのも◎その日に起きた出来事を書くことで、自身の「感情の傾向」が可視化され、ストレスが緩和されると言われています。
頭の中で考えていることを言語化し、アウトプットすることは脳内リセットにも繋がるでしょう。
ステップ⑤怒りの捉え方を変えるリフレーミング
冒頭で、生きていくなかで「怒り」の感情はつきものとお伝えしましたが、怒りは一時的な感情であり、たとえその場で相手に怒ったとしても問題の解決には繋がりません。
ですが、怒りを抑えることに目を向けてしまうとそれが返ってストレスになり、「自分は怒らないよう我慢してるのに…」と負のループが続いてしまいます。感情的にならないためには、感情を抑えるよりも捉え方を変えるほうが効果的です。
怒りは「起こった出来事」に対して「期待していた思いとのギャップ」が起こることで発生します。
例えば部下が発注ミスをしてしまった時、「発注を間違えた」という出来事だけに目を向けるのではなく、「発注前に周囲に間違いがないか確認をしておけば、今後はミスが起きない」、「初めのうちは誰だってミスはある」と考えられるようになったらどうでしょうか?
捉え方次第でその時に感じた感情よりも行動に目を向けられるようになり、怒りの感情をコントロールすることができます。
おわりに
今回はアンガーマネジメントの意味や怒りのタイプ、怒りをコントロールする方法をご紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか?
怒りのタイプを理解することで自身の感情をコントロールできるようになり、円滑なコミュニケーションを図れるようになります。
怒りをポジティブな気持ちに変容させるアンガーマネジメントは、職場や私生活でも非常に有効なので、ストレスを感じやすく悩んでいる方はぜひ今日から実践してみてください!
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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