皆さん、こんにちは。
IS factory magazine編集部です。
この度、5/23(木)に株式会社ACES様と株式会社ワールドスタッフィングのウェビナー開催が決定いたしました。
開催に先立ち、株式会社ワールドスタッフィング インサイドセールスグループの田口より、株式会社ACESで取締役を務める西條さんへのインタビューが実現。プロダクトの誕生秘話や昨今の営業情勢など、ざっくばらんにお話を伺いました。
ウェビナーにご参加いただく前に読んでもらえると、より一層楽しめる内容になっております。ぜひ、ご一読いただけると嬉しいです!
株式会社ACES
執行役員 西條真史さん
慶應義塾大学SFCを卒業後、楽天株式会社に入社。新サービス開発室にてフリマアプリ「ラクマ」の事業開発・マーケティングに従事。2017年株式会社ACESを共同創業。現在は商談解析AI SaaS「ACES Meet」の事業開発を担当。
株式会社ワールドスタッフィング
インサイドセールスグループ グループ長 田口勇貴
営業支援会社にてWEB広告等を中心に様々な企業の新規開拓を担当。
また大手企業にて営業研修の外部講師を担当。
営業人生の9割を新規開拓畑で過ごし、2020年、ワールドスタッフィングに入社にてインサイドセールス事業を立ち上げ。現在はグループ会社へ向けたインサイドセールス支援を実施。
<本ウェビナーの詳細はこちら>
プロダクトの誕生秘話
田口:早速ですが、プロダクトの開発に至った経緯や背景、思いについてお伺いできますでしょうか。
西條さん:私共はこれまで多種多様な業界業種の大手企業様を中心に、DX戦略のコンサルからAIの開発、その後の運用までを一気通貫してご支援するようなDXパートナー事業を中心に展開してきました。
会社の思いとしては個社ごとの開発というよりも、「これまで培ったAIの技術アセットを汎用的にお客様のもとへ届けたい」という話は以前からしておりまして。そのタイミングで新型コロナウイルスが流行り始めたんです。
コロナ禍でビジネス市場が大きく変化しても我々の事業自体が縮小するというリスクはなかったですし、案件がある以上は人を採用して、事業としても拡大していかなければならない。
お互いの言っていることが何も見えなくなる中で、かつ、対応自体は続けていきます。みたいな状況だと、お互いの営業活動で何をやっているのか、どういったやり方をすれば営業が上手くいくのかが急に見えづらくなったり、教育しづらくなった瞬間があったんです。
コロナ禍での営業活動をもっと最適化したいと思った時に、まずはお客様へのプロダクト提供よりも自分たちの持っている課題に対してどうアプローチして解決できるかを考え、このプロダクトが生まれました。
我々はAIの会社なので、観点が技術に寄っているんです。そうなったときに最初に何を考えたかというと、”商談がオンライン化されたら取れるデータが変わってくる”と思ったんですよね。
データが取れるようになると、これまでできなかった営業の改善の仕方が分かるのではないか。というのが初めの着想です。
田口:インサイドセールスの最大のメリットは、移動時間がない分、商談に時間を割けられるといった生産性・効率性にフォーカスされがちなんですけど、どちらかというとオンライン商談になったことによって一番恩恵を受けるのは”育成”ですよね。
まさに今回のテーマでもありますが、これまで現場に同席しなければ得られなかったトップ営業の商談であったり、そういったものがレコーディングによって自己学習できて、成長したい人はどんどん自分で情報を取りにいき成長できる。というのが一番大きな影響だと我々も感じております。
レコーディングができるようになったことで、営業教育が劇的に変わったなと感じていたところです。
商談解析AI『ACES Meet』について
田口:改めてですが、御社のサービスについて特徴を教えていただけますでしょうか。
西條さん:オンライン商談や電話のやりとりも含めて、営業とお客様の会話から何が話されているのかをデータとして取り扱えるようになる。まずはこれが大前提としてあります。
そのほかには、誰がどんな発言をしているのか分かる文字起こし機能であったり、話し方の癖や時間配分、あとはお客様からの質問に対してどう答えているのかを定量的、定性的に可視化されるようになっています。
田口:利用されている企業様はどういった業界の方になりますか。また、どのような課題をお持ちの方が多いのでしょうか。
西條さん:IT、SaaS系の企業様だけでなく、人材紹介系、人材派遣系の企業様ともお引き合いをいただいてるところです。
部門別にいくと営業部門の方や、場合によっては営業企画の方を中心に進めていただくケースもあります。人材系の企業様はキャリアアドバイザーの方々の育成支援、といった文脈でお使いいただくケースが非常に多いですね。
オンライン商談の機会が多いという理由で使ってくださる方もいらっしゃいますし、内容の情報共有に価値を感じて利用してくださる方もいます。
SaaS系の企業様も、THE MODELのような分業体制を敷いているときに、インサイドセールスで話したことがフィールドセールスにトスアップされて、フィールドセールスが決めた成約がどういった期待値で取られているかをCS側にトスアップして…という、いわゆる商談の情報に価値を持っている企業様とは相性が良いのではないかと感じております。
田口:私は3年前、広告系の業界で働いていたのですが、プロダクトが強すぎるとプロダクトで売れてしまうことがあるじゃないですか。昨日今日入社した新人でも、プロダクト力が業界ナンバーワンのシェアを取っていたり。
成果と商談力と営業力は必ずしもイコールにならないジレンマのなかで、本当は正しいやり方ではないのにプロダクトの力で売れてしまって、そのやり方が正になってしまう…。というのを何度も見てきました。ですが、人材業界では派遣法があって、法のもとで事業を行っている。突飛なことができないことから差別化が非常に難しい領域だと思うんですよね。
そうなってくると、他の業界よりも営業マンの提案力に対する重要度が増す。そういった意味でも、”商談を科学していく”というのは、我々の業界において非常に重要度の高い部分なのかなと感じていたところです。
西條さん:提案の質を高めるには、ヒアリングがどこまでしっかりできているかが商談の決定率や最終的なKPIに直結してくる領域だと思っているんですよね。
過去の経験や現在の状況はヒアリングできているけれども、そこからさらに踏み込んで提案をしていくとなると、未来の状態をどう一緒に描いていけるか、みたいな。ある種キャリアアドバイザーとしての難しさであり、面白さでもある。お客様との信頼を獲得した上で、どんな議論ができるのかも育成の余地がある部分だと思っているところですね。
田口:営業職を育成するうえで、8割をヒアリングの習得に時間をさいておりまして。プレゼンやトーク力を育成する時間はあまり割いておらず、メンバーに指導する時はヒアリングに関することがほとんどです。
そういったところでいくと、先日お打ち合わせのレコーディングをいただいたときに、顔や表情の変化を分析してくれる機能があって、そこがすごくいいなと思っていました。
「ここの提案が刺さりました」みたいな個人の主観ではなくて、客観的な科学のもと、お客様がどう反応したのかが分かるデータがあったり。我々が求めているヒアリング像と合致しているなという印象を受けましたね。
ヒアリングは、質問表のように全部穴埋め式に考えてしまいがちだったんです。ですが、質問したことでお客様の気持ちがどう変化していったのかは掴めていなかったんですよね。それがデータとして見られるのも良いですし、対話分析をもとにフィードバックしていくとより効率的ですよね。
西條さん:ありがとうございます。このプロダクトの価値は『一次情報が可視化された状態でフィードバックができる点』だと思っていて、一次情報があるのとないのとでは天地の差があるんですよね。
先ほど田口さんがおっしゃっていた通り、例えばヒアリングチェックシートみたいなものがあって、それが結果指標として管理できたとしても「なんでヒアリングできていないのか」、「本当にヒアリングができているのか」という話になると思うんですよ。
それですら営業個人の主観に頼っていたりするので、「確かにヒアリングはできているけれども、こういう言い回しに変えたらこんな展開が期待できるよね」みたいな。一次情報に基づいてフィードバックができると、育成を受ける側のスタンスも変わってくると思うんです。
具体的な考えをもとに次のアクションに繋げられると期待しています。
田口:弊社では現在、CTIやコールシステムを使ってやりとりをテキストで確認しているのですが、それだけで満足していた部分もあったんですよね。ただ、御社のツールを拝見した時に、お客様がしっかり反応したことまで見えるのは革新的だなと感じました。
我々も、ヒアリングができたのか事実確認はしているのですが、そこで求めるお客様の心理的な変化が起こせていたかというと、テキストだけでは伝わらない部分もあると思っていて。その点、ACES Meetでは表情や話し方もAIが分析してくれるので、画期的ですよね。
ご利用者様の声
田口:実際にACES Meetを利用されているお客様からは、どういった点に魅力を感じていただいてるのでしょうか?
西條さん:お引き合いをいただいている企業様からは、「OJTや研修にかかる工数が短縮されました」、「新人の立ち上がりの速度が速まりました」と言っていただくケースが多いですね。
同席の工数が下がるというお話もあれば、事実をもとにフィードバックができると言っていただくこともあります。育成を効率化しつつ、精度の向上にも繋がっているところが、かなり評価をいただけてるポイントかなと思いますね。
田口:サービスを使われて上手くワークしている企業様の特徴はありますか?
西條さん:営業はお互いの競争心が強くて、ナレッジシェアの概念がない組織も一定数存在していると感じておりまして。
田口:はい、おっしゃる通りですね。
西條さん:個人の利益相反に繋がるケースも少なくないと考えたときに、貪欲に学ぶ姿勢が高く、トップセールスの方から何か盗んでやろう、というメンバー間での熱量が高い企業様が上手くワークされている印象です。情報共有は良いこととされている組織には非常に馴染みやすいのかなと思いますね。
田口:私もインサイドセールスを立ち上げときに一番注力したのは、”共有の文化を作ること”でした。上手くいった事例を隠すのではなく、シェアしていく。そしてシェアした人をしっかり讃えていくカルチャーをつくるのが、真っ先に取り組んだことですね。
弊社はそこに注力しているので、成功パターンが共有されていき、学びたい人はアクセスをして音源を聞いたり、自己成長していく環境が作れています。
そうすると、メンバーが受動的ではなく能動的になってくるんですよね。図書館のライブラリのようにアクセスして…って。
そのライブラリをきちんと準備してあげることが、管理者の役割になってきています。育成コストもだいぶ削減されまして、入社して2・3年目ぐらいのメンバーが案件をディレクションして、ディレクターやマネージャー職が勤まるようになってきました。
法人営業の変化の兆しと新たな営業トレンド
田口:日々多くの企業様とプロダクトを通じて関わっているかと思うのですが、国内の法人営業に起こっている兆しや、感じている変化はありますか?
西條さん:データ活用や生成AIも出てきている中で、どういった形で既存の営業が変わっていくのか、変えられるのかの関心の高まりは、お客様からもお引き合いをいただいおります。
一方で、まずどこから何を始めればよいのか見出せてないのも正直なところです。
我々のような商談情報を基軸に、営業の改善を図るのは一つのアプローチだと思っています。商談時に拾ってきたコミュニケーション情報を、生成AIを使って解析することで、より高度なPDCAが回せるようになる。これは今後のトレンドになってくるのではないかと考えています。
営業組織における変化としては、商談情報の可視化やデータ活用が急速に進んできている。それができた先に何があるのかというと、業務の効率化はどんどん進んでいくし、生産性も上がるんですよね。
その先に待ち受けているのは、量から質への転嫁や質の向上があると思っていまして。どう実現していくのかは、正直まだまだ属人化された領域だと思っています。
デジタルが入りつつあることが、営業において大きな変化点になり得る。そこで、我々もようやく「質の向上を図りましょう」と議論ができるのです。
ウェビナーにご参加いただく皆様へメッセージ
田口:最後のご質問になりますが、今回のウェビナーを通して、ご参加いただく皆様にお伝えしたいことがあればお話いただきたいです。
西條さん:先ほどお伝えしたように、技術的なトレンドが変わってきているなかで、どこから着手をすれば良いのか悩んでいらっしゃる方々も非常に多いと思います。
育成の観点では、田口さんから具体的な事例を交えてお話しいただけるかと思いますので、私からはマクロトレンドも踏まえた営業の改善事例やデータ、AIの活用事例など、実践的なお話ができればと考えております。ご興味のある方はぜひご参加ください。
田口:西條さん、長時間お付き合いいただきましてありがとうございました。当日はよろしくお願いいたします!
▼株式会社ACES様についてもっと詳しく知りたい方はこちら
https://meet.acesinc.co.jp/
▼株式会社ワールドスタッフィングの詳細はこちら
https://www.wsff.co.jp/
IS factory magazine編集部です。2022年開設。
定期的にインサイドセールスや営業に関するノウハウを発信しています。