近年、営業のリソース不足を解決するために、営業代行や営業支援を活用する企業が増えています。
矢野経済研究所の「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査」によると
2022年度のBPOサービス全体(IT系BPOと非IT系BPOの合算値)の市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比3.0%増の4兆7,020億9,000万円と推計。
BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査を実施(2023年)
とされており、今後も右肩上がりの成長が見込まれています。こうした背景から、多くの企業が効率的な営業体制の構築や成果の最大化を目的に、アウトソーシングの活用を検討しています。
そこで本記事では、「営業代行と営業支援はどう違うのか?」「どちらを選ぶべきか?」と疑問に思う方に向けて、違いをわかりやすく解説し、それぞれのメリット・デメリット、選ぶ際のポイントを紹介します。
こんな方におすすめ
✔ 営業代行と営業支援の違いを知りたい方
✔ 自社に最適な会社を調べたい方
✔ 営業の依頼を検討している方
営業代行とは?業務内容と特徴

営業代行は、企業の営業活動を外部の専門会社に委託するサービスのことです。営業プロセスの一部、または全部を外部パートナーが代行することで、自社のリソースを最適化し、成果を最大化できます。
【主な業務内容】
・新規開拓営業(テレアポ)
・フィールドセールス
・アフターフォロー(セミナー後のフォローアップなど)
・カスタマーサポート
営業代行の料金相場
営業代行の料金は、依頼内容や契約形態によって大きく異なります。一般的には、月額30万~100万円程度が相場ですが、業務範囲や成果報酬の有無によって変動します。
【料金体系の主なパターン】
・固定報酬型(月額制)
月額30万~80万円程度で、一定数のテレアポや商談設定を行う形態です。成果に関係なく費用が発生するため、安定的にリソースを確保したい企業に向いています。
・成果報酬型
アポイント獲得や成約ごとに費用が発生する形態です。1件あたり2万~5万円程度が目安で、短期的に新規開拓数を増やしたい企業に適しています。
・ハイブリット型(固定+成果報酬)
月額固定費に加えて、成果に応じた報酬が発生する形態です。安定性と成果に対するインセンティブの両方をバランス良く取り入れたい場合に選ばれます。
料金は、業務範囲(リスト作成、アポイント取得、商談代行、クロージング代行など)によっても変わるため、依頼前に「どこまで任せたいか」を明確にしておくことが重要です。
関連記事:営業代行の相場・契約形態・成果を徹底比較!失敗しない会社選びのポイントとは
<料金相場について知りたい方はこちら>

営業支援とは?営業代行との違い
営業支援は、営業戦略の立案やプロセス設計など、営業活動の上流工程をサポートするサービスです。営業の「ノンコアタイム」を補強し、営業効率を向上させます。
【主な業務内容】
・顧客課題のヒアリングと分析
・営業プロセスの設計、最適化
・リードスコアリングと優先アプローチ戦略
・既存顧客へのアップセル、クロスセル
そのほか関連記事:インサイドセールスとフィールドセールスの違い | 「THE MODEL」との関連性もご紹介!
営業支援の活用事例
営業支援は、外部からノウハウを提供してもらうだけでなく、実際にプロセスの改善や組織の強化に直結するのが特徴です。弊社の営業支援では、以下のような事例があります。
活用事例①:3週間で110件のアポイントを獲得
大手ヘルスケアブランド企業では、新サービスの立ち上げに伴い、商談機会の創出と顧客ニーズの把握が課題でした。
専用CRMにて、進捗を可視化し、フォローコールを強化。結果、3週間で110件・アポ率22%を達成しました。
活用事例②:インサイドセールスで営業を効率化
医療検査機器の販売企業では、全国1万施設への営業を効率化するため、インサイドセールスを導入。CRMと録音機能を活用して進捗を共有し、フィールドセールスへ情報を円滑に引き継ぎ。
月50件以上の商談機会の創出と戦略改善につながりました。
活用事例③初月からアポ率7%を実現
求人アプリ企業では、新規開拓に向け、ハウスリードの掘り起こしと新規リストへのアプローチを実施。導入初月から1日2~3件のアポイントを獲得し、自社営業の2~3倍の成果を達成しました。
これら営業支援の実例は、CRMなどのツールを用いた進捗管理を可能にし、自社組織の改善サイクルの高速化に寄与する点が共通しています。
営業代行会社を活用するメリット・デメリット

メリット①:短時間で営業リソースを確保できる
営業代行を活用すれば、自社で営業担当を採用・育成する手間を省き、すぐに営業活動を開始できます。特に、新規開拓営業において即戦力を確保しやすいというメリットがあります。
メリット②:コストを最適化できる
自社で営業チームを構築すると、人件費や研修費、インセンティブなど固定費がかかります。営業代行を活用すれば、必要な期間だけ営業活動をアウトソースでき、コストを抑えながら営業の成果を得られる可能性があります。
メリット③:営業のノウハウを活用できる
営業代行会社は、特定の業界や営業手法に精通しているプロフェッショナルです。そのため、ターゲットに応じた営業トークやアプローチ手法を活用し、自社の営業活動を効率化できます。
デメリット①:自社の商材理解が浅くなる可能性がある
営業代行会社は複数の企業の営業を請け負っているため、自社製品やサービスの詳細を深く理解していない可能性があります。その結果、顧客対応の質が低下することも。
デメリット②:成果が保証されているわけではない
営業代行は成果報酬型ではなく、固定報酬型の契約が多いため、成果が出なくてもコストが発生することがあります。事前に契約内容や成果指標をしっかり確認することが重要です。
デメリット③:顧客との関係構築が難しくなる
営業代行会社が商談やアポ取りを担当すると、自社の営業担当者と顧客の関係構築が希薄になりやすいというデメリットがあります。特にBtoB営業では、長期的な関係構築が重要なため、営業代行と社内営業の連携が必要です。
営業支援のメリット・デメリット

メリット①:営業課題の発見と改善ができる
営業支援では、現状の営業プロセスを可視化し、ボトルネックを発見・改善します。「アポ率が低い」「リード管理が不十分」などの課題を分析し、最適な対策を講じることができます。
メリット②:長期的な売上向上につながる
営業戦略を見直すことで、無駄な営業活動を削減し、成約率を高めることが可能です。特にBtoB企業では、営業プロセスの最適化が売上に大きく影響するため、営業支援の活用が有効です。
メリット③:営業の属人化を防ぎ、仕組化できる
営業担当者ごとに営業スキルの差があると、成果にバラつきが出やすくなります。営業支援を導入することで、営業の成功パターンを仕組化し、組織全体の営業力を底上げすることができます。
デメリット①:即効性がない
営業支援は、営業の基盤つくりを行うサービスのため、成果が出るまでに時間がかかります。短期間でアポ獲得や売上アップを目指す場合は、営業代行の方が適している可能性があります。
デメリット②:ある程度の社内リソースが必要
営業支援は外部からのアドバイスをもとに社内で実行するケースが多いため、社内の営業担当者が対応するリソースが必要になります。リソースが不足している場合は、営業代行と組み合わせて活用すると効果的です。
関連記事:【最新版】インサイドセールス代行の費用相場は?料金体系・選び方・比較表つきで徹底解説
営業代行サービスを失敗しないための選び方【チェックリスト】
営業代行は、大きなメリットがある一方で、「期待した制化が出ない」「契約内容と実態が異なる」といった失敗事例も少なくありません。導入時は、以下のチェックポイントを考慮しましょう。
【チェックリスト】
✓成果指標を明確に契約書に盛り込んでいるか
(例:アポ獲得件数、商談化率など数値で評価できる目標があるか)
✓営業経験や業界知識を持つ人材が担当するか
(例:業界経験者やBtoB営業の実績がある人材がアサインされるか)
✓進捗状況の共有体制が整っているか
(例:週次・月次でのレポートや定例ミーティングが設けられているか)
✓自社の商材やターゲットに適したリストを活用しているか
(例:ターゲット選定の精度が成果に直結するため、リストの質が重要)
✓トラブル発生時の対応フローが明確か
(例:契約解除条件やサポート体制が契約前に明示されているか)
このように、契約前に見直しを行うことでリスクを最小限に抑えることができます。特に、成果指標の明確化と担当人材の質は、営業代行を成功に導く上で欠かせないポイントです。
営業代行と営業支援の比較表
営業代行と営業支援は、目的や依頼範囲に明確な違いがあります。営業代行は、「すぐに成果を上げたい」企業に向いています。
一方で、営業支援は、「自社の営業チームを強化し、将来にわたって自走したい」企業に適しています。以下の比較表を参考に、自社の課題や目的に合った外注先を選択していきましょう。
[table “10” not found /]どちらを選ぶべき?営業代行・営業支援の使い分け

営業代行と営業支援には、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。自社の営業課題や目的に応じて、適切な選択をすることが重要です。以下のポイントを参考に、どちらが適しているか判断しましょう。
営業代行が向いているケース
・短期間で営業リソースを確保したい
・新規開拓営業の負担を軽減したい
・営業担当を雇う余裕はないが、売上を上げたい
・アウトバウンド営業を強化したい
営業代行は、特に即戦力が必要な場合やリソース不足を解消したい場合に適しています。
営業支援に向いているケース
・営業プロセスの課題を可視化し、改善したい
・長期的に営業力を強化し、売上を安定させたい
・営業の属人化を防ぎ、組織全体のスキルを底上げしたい
・インサイドセールスの仕組みを構築したい
営業支援は、営業戦略やプロセスの最適化を図り、長期的な成長を目指す場合に適しています。
まとめ:営業代行と営業支援を適切に活用しよう

営業代行と営業支援は、それぞれ異なる目的で活用されます。
・短期的に営業リソースを確保し、即戦力を求めるなら「営業代行」
・営業プロセスの改善や組織的な営業力強化を目指すなら「営業支援」
また、営業代行と営業支援を組み合わせて活用することで、より効果的な営業戦略を構築することも可能です。
例えば、営業支援で営業の仕組みを整えつつ、営業代行を活用して即時の営業成果を得るという方法もあります。
弊社では、「営業代行」「営業支援」ともに行っており、お客様の要望に合わせて最適なサービスをご提案しております。営業の外注にお悩みの方は、ぜひご相談ください。
<弊社のサービス資料はこちら>

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

IS factory magazine(アイエス ファクトリーマガジン)編集部です。2022年開設。
定期的にインサイドセールスや営業に関するノウハウ、セミナー情報を発信しています。
