皆さん、こんにちは。
IS factory magazine編集部です。
テレワークや時短勤務制度など働き方の多様化が進む中、「コミュニケーションが希薄になった」、「組織全体の積極性が低い」と感じている管理職の方も多いのではないでしょうか。
総務省が2021年5月に公表した、テレワークの課題についての労働者アンケートでは
他のメンバーに仕事を頼みにくい 約32%
出典:https://www.soumu.go.jp/main_content/000750183.pdf
会話が減って寂しさを感じる 約29%
チームに一体感が感じられない 約28%
と、約3人に1人がコミュニケーションの取り方に不安を抱えているという結果が出ています。個人が働きやすい労働環境を選択できる時代となった一方で、帰属意識の低下が問題視されているのです。
そこで今回は、テレワークの組織力を高めるために必要な帰属意識と、向上の取り組みをご紹介していきたいと思います。
―こんな方に読んで欲しい―
✓ テレワークで組織力を高める取り組みを知りたい
✓ 社員との距離感を感じている経営陣、管理職の方
✓ 社内コミュニケーションを活性化させたい
テレワークに必要な帰属意識とは
帰属意識とは、集団の一員であるという意識を持つことを意味します。テレワークでは、社員が組織の一体感や仲間意識を自覚している状態です。
帰属意識が高いと、企業に愛着が生まれ「目標達成に向けて貢献したい」という気持ちが芽生えます。組織の課題を自分に置き換えて考えることができるので、周囲と協力しながら仕事に取り組めるのです。
反対に愛着がなく、興味・関心がない場合は帰属意識が低いといいます。いわゆる「生活のためだけに働いている」といった状態では、モチベーションが感じられず、生産性の低下に繋がることも。
出社と比べてコミュニケーションを取る機会が少なく、一体感が生まれにくいテレワークだからこそ帰属意識は必要なのです。
エンゲージメントとは
帰属意識と似た意味で使われる言葉にエンゲージメントがあります。人材育成におけるエンゲージメントは、「従業員が組織や仕事に貢献する意欲」を表します。
従業員が企業に誇りを持ち組織と共に成長し合える就業環境は、自発的な行動力を引き出します。
帰属意識は従業員から企業に向けられるものですが、エンゲージメントは企業から従業員、従業員から企業へと双方に対する貢献意欲です。
エンゲージメントが向上すると、生産性が高まり組織の成長を促します。また業績が上がることで、従業員の働きがいにつながります。
帰属意識が低下する要因
帰属意識の必要性を理解したところで、低下する要因を3つお伝えします。
①コミュニケーションの不足
②企業の評価・サポート体制が整っていない
③企業方針に対する価値観のずれ
コミュニケーションの不足
コミュニケーション不足は従業員の孤立感が強まるため、組織の一体感を感じにくくなります。情報共有の機会が減ると、業務に支障をきたす場合もあるでしょう。
特に対話の機会が少ないテレワークでは、コミュニケーションを通して組織の士気を上げる取り組みが求められています。
企業の評価・サポート体制が整っていない
適切な評価制度や業務のサポート体制が整っていないと、帰属意識は低下します。困った時に支援を受けられなければ、誰でも不安を抱きやすいでしょう。
昇進や育成環境など成長できる機会が限られると、組織への不信感につながります。
企業方針に対する価値観のずれ
企業の理念や方向性が従業員の価値観と一致しない場合は、業務意欲が低下しやすくなります。また、目標や方針の認識に違いが生じると組織に対する信頼が損なわれることも。
企業の方針は明確に提示し、共通認識として伝えることが大切です。
帰属意識から生まれるメリット
帰属意識の取り組みを実行して、期待できるメリットをお話していきましょう。
生産性向上
帰属意識が高まると、自分ごととして業務に取り組むことが可能です。主体的な思考は興味・関心を生み、役割を担うための行動力へと繋がっていきます。
また「ミッションを達成したい」という向上心から、モチベーションも維持されやすくなるでしょう。新しいアイデアや意見が組み合わさり、仕事の成果に結びついていきます。
他の社員の課題も自身の問題として考えられると、会社全体の課題にも向き合えるようになるのです。
離職率低下
組織に愛着があり、社員満足度(人間関係、福利厚生、やりがいなどの評価)が高ければ離職を考える機会が少なくなります。
これからは少子高齢化の影響で、人材の流動性はさらに加速していくでしょう。人材確保が大きな事業課題となる中、社員は重要な会社の資産になります。
そして定着率が高まるほど、経験を積んだ社員が増えるため、質の高いサービスを提供することができるのです。
心理的安全性の確保
社員同士の交流が増えると、社内に向けた発言に不安がなくなります。課題を相談しやすい環境は、ミスの早期対応や前向きなマインドを保つために欠かせません。
Google社の「プロジェクトアリストテレス」の社内調査結果によると、効果的なチームを作る上で必要なのは
「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」である
出典:https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/#identify-dynamics-of-effective-teams
と心理的安全性の価値を伝えています。心理的安全性が確保できれば、組織力を強化できるでしょう。
帰属意識向上の取り組み
では早速、テレワークで組織の帰属意識を高める取り組みを5つご紹介していきます。
①企業方針を社員に伝える
②社内コミュニケーションの活性化
③成果への評価、サポートを行う
④ワークライフバランスの充実
⑤業務の見える化
①企業方針を社員に伝える
企業のビジョン、組織の方向性を明確に伝えることが大切です。自社の行動指針が伝わっていないと、目標が見出せず社員が戸惑ってしまいます。
業務が社会にどう貢献しているのかを理解することは、モチベーションの確立に欠かせません。新しい業務や仕事を依頼する際も、経緯・目的の詳細を伝えましょう。
キックオフや朝礼など部署全体に発信できる場を活用すると、指針が統一され、同じ目標に向かって仕事をしているという一体感を感じやすくなります。
<インサイドセールスのキックオフはこちら>
②社内コミュニケーションの活性化
社内コミュニケーションの活性化は、組織の一員であると実感できる大きな要因です。コミュニケーションが取れていないと、孤独を感じ帰属意識はますます低下していきます。
社員同士の繋がりは「チームで頑張ろう」と仲間意識を生むだけではなく、業務意欲の向上にも効果的です。
特に対話が少ないテレワークでは1on1、社内イベント、ランチ会のように交流ができる機会を意識的につくっていきましょう。信頼関係が築けていると話に耳を傾けてくれるようになり、①の行動方針も浸透しやすくなります。
<社内イベントの様子はこちら>
③成果への評価、サポートを行う
働くなかで評価や支援を受けられることは、帰属意識を向上させる重要なポイントです。目標を達成しても評価されない、仕事で悩んでいるときにフォローをしてもらえない環境に連帯感を抱くのは難しいでしょう。
「最近、気を配れてなかったな」という経営陣、管理職の方は、ぜひ一緒に働くメンバーに声をかけてあげてください。適切な評価は、仕事のやりがいになります。
評価方法として、人事面談やキックオフでの成果報告、チャットツールでのリアクションスタンプで伝えるのもお勧めです。
④ワークライフバランスの充実
社員に長く働きたいと思ってもらうためには、働きやすいワークスタイルを提供していく必要があります。無理を続けると体の不調や離職に繋がってしまうケースもあるので、注意しましょう。
仕事と私生活のバランスが取れていると、充実感を感じることができます。社員のニーズに合わせて、社内制度を活用していきましょう。
具体的には、テレワーク・時短勤務の働き方や、有給休暇など福利厚生の待遇面を充実させるのも良い方法です。
<テレワークの休暇取得方法はこちら>
⑤業務の見える化
スケジュール管理ツールを使用するなど、業務を可視化し社員の動きを把握できるよう整えていきます。テレワークでは就業場所が異なるため、コミュニケーションを取るタイミングに戸惑う方も多いです。
可視化すると②コミュニケーションの活性化や進捗の読み取りも可能になります。周囲の仕事の姿勢に背中を押され、やる気が沸き立つことも。
テレワークの見える化に役立つのがデジタルツールです。slack(チャットツール)、BIZTEL(録音ツール)を始め、バーチャルオフィスを導入する企業も増えています。
<デジタルツールの紹介はこちら>
帰属意識の注意点
もちろん帰属意識が高いだけでは、良い組織とは言えません。社員一人一人が会社に所属している充実感を活かし、「自身で考えて行動していく」ということが大切です。
行動方針を定めるためには、1on1やキックオフが有効となります。目標の到達点を振り返ると、方向性が明確になり行動しやすくなるのです。
帰属意識を高めて、組織の活性化を目指そう
帰属意識の重要性と向上の取り組みを5つご紹介してきましたが、実践したい施策は見つかりましたでしょうか?
これからは働き方の多様化、人材流動の変化に対応した組織力が必要となります。帰属意識が低いと感じている方は、理由を見極め自社に必要な取り組みを導入するのが効果的です。
経営陣、管理職、社員の全員で一体感のある組織を構築していきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
IS factory magazine編集部です。2022年開設。
定期的にインサイドセールスや営業に関するノウハウを発信しています。