テレアポでKPIを設定する際、「1日何件かければアポイント獲得につながるのか」という疑問に直面します。
実際にネット上でも「100件は必要」「50件あれば良い」「業界次第」など、さまざまな情報が入り乱れている状況です。
しかし、結論から言うとテレアポの成果は架電数(量)だけで決まるものではありません。
この記事では、営業アウトソーシング事業を提供する弊社の支援事例をもとに、以下の内容を図解で解説します。
・テレアポは1日何件が平均か?
・本当に必要なコール数は何件か?
・案件が取れる企業が見ているKPI
・即実践できる改善ポイント
テレアポの平均コール数は1日何件?
まずは、テレアポの平均コール数とKPIで定義される数値の目安をお伝えします。
▼BtoB営業のKPI平均値
| 指標 | 目安 |
|---|---|
| 架電数/日 | 40~50件 |
| 担当者接続率 | 15~20% |
| アポイント率 | 0.5~2% |
| 商談化率 | 30% |
この指標は、「100件電話をかけてアポイント獲得数0件」という結果も珍しくないことを示しています。一方で、稼働条件(商材・リソース・ターゲットなど)が変われば、アポ率7%以上を記録する営業事例もあります。
つまり、1日40件~50件程度でも、担当者接続率の向上と質の高いトーク設計が機能すれば成功率を上げることができるということです。
“良い”とされる数値の目安は?
以下は、KPI評価基準の一例です。重要なのは数よりも質であり、この指標はあくまで品質と架電数を担保できたときの目安になります。
| 目安 | 架電数 | 担当者接続率 | アポイント率 | 商談化率 |
|---|---|---|---|---|
| 安定した成果 | 40~50件 | 15~20% | 0.5~2% | 30% |
| 一段上の成果 | 50~60件 | 20~25% | 2~5% | 30~40% |
| 突出した成果 | 60件以上 | 25%以上 | 5%以上 | 40%以上 |
理想値は、チーム体制や商品・サービスの特性(高単価か、決裁者は特定されているか、法人か個人か)によって変わるため、自社の商材とターゲットに合わせたKPI設計が必要です。
なぜコール数=成果ではないのか?

「とにかく数をかける」という従来の風習は、多くの営業組織に根強く残っています。しかし、コール数は成約(KGI)に至るまでのプロセスの一部に過ぎません。
テレアポから成約までの流れ
①架電:営業リストから電話をかける
②担当者接続:決裁者と話す
③ヒアリング:商材に関する質問をする
④アポイント:商談の提案をする
⑤商談化:商談を実施する
⑥成約:契約書を締結させる
テレアポの成功は、架電だけではない複数の工程で成り立っており、改善余地も架電から成約まで各段階で存在します。たとえば、架電数だけに注力すると以下のリスクが発生しやすくなります。
・決裁者に取り次いでもらえない
・相手に検討意志がない
・商材のニーズがない
・タイミングが悪く話しができない
・営業担当者のモチベーションが低下する
営業活動をするうえで一定の「数」は必要ですが、かける対象やタイミング、提案内容を最適化することのほうが実務的な効率が高いのです。
関連記事:【業種別】テレアポの最適な時間帯と成果を上げるアプローチ手法
成果を出す企業が重視するコール数ではない4つの指標

成果が出ている企業ほど、営業フェーズごとに4つの指標を重視しています。
▼チェックすべきKPI
| 指標 | 定義・意味 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 担当者接続率 | 架電数のうち決裁者(キーマン)と会話ができた割合 | リスト精度の見極めや電話をかけるタイミングの最適化ができているか |
| ヒアリング率/資料送付率 | 架電数のうち課題や必要性を聞き出せた割合、または資料送付につながった件数の割合 | 提案が顧客ニーズと一致しているかの判断や興味を引き出すトーク設計ができているか |
| アポイント率 | 架電数のうちアポイントを獲得した割合 | 次のアクションにつながっているか |
| 商談化率/成約率 | 獲得したアポイントが実際の商談や契約に至った割合 | サービス内容・提案力・フォロー設計の質が担保できているか |
架電数の目標達成=アポイントが獲得できるわけではありません。むしろ、アポイント率が低いまま数だけ追い続けるほうが成功率を低下させる要因になる可能性が高いです。
KPIは“件数”ではなくプロセスで考える
たとえば「アポイント数を増やしたい」場合、単純に架電数を増やそうと考えるのは危険です。アプローチ方法を見直す際は、営業組織の各プロセスの成功率を把握するところから始まります。
KPIの設定方法
・担当者接続率(担当者接続数÷架電数×100)
・ヒアリング率(ヒアリング件数÷担当者接続数×100)
・資料送付率 (資料送付数÷担当者接続数×100)
・アポイント率(アポイント数÷架電数×100)
テレアポでは、KPIをプロセスごとに分解すると「現在どこに課題があるのか」が一目で分かるようになります。仮に、以下の実績があるとします。
KPIの具体例
架電数:月/1,000件
担当者接続率:20%(200件)
ヒアリング率:50%(100件)
アポイント率:2%(20件)
このケースでアポイント数を増やす方法は、架電数を増やすだけではありません。
改善例
・担当者接続率を20%→25%に上げる
・ヒアリング率を50%→60%に上げる
テレアポは、どこか1つのプロセスを改善するだけでも成功率は大きく変動します。
担当者接続率を高めると成果は飛躍的に変わる
テレアポで成果が出ない要因の約7割は、担当者に接続できないことだと言われています。
▼接続できない理由
・かけている相手が決裁者ではない
・リストの優先順位が低く、見込みの薄い企業にかけている
・リストが古く、部署や担当者が変わっている
・在宅勤務、テレワークで会社に出勤していない
・担当者が不在になりやすい時間帯に架電している
・受付担当者が会社の方針で営業電話を断っている
営業活動では、電話を何件かけたかではなく「誰に・いつアプローチするか」が大切です。
実際に弊社のインサイドセールス支援では、リストと架電タイミングを見直すことで担当者接続率が1ヶ月で11.7%から20.9%まで改善しました。その結果、アポイント数は3倍に増えています。

このように、担当者と話せる確率を上げると必然的に成功率も高まるのです。テレアポの改善は、コール数を増やすのではなく「担当者接続率」を改善することで、成果は大きく変わります。
【インサイドセールス支援の活用事例集はこちら】

接続率を上げる具体的な施策

担当者接続率を改善するためには、「つながる確率が高い状態を意図的につくること」が重要です。ここでは、実際の営業現場で活用されている代表的な施策を解説します。
①リストの見直し(優先順位をつける)
まず取り組むべき対策は、架電リストの精度向上です。すべての企業を同じ優先度で扱うと、接続率は低下します。
・過去商談企業
一度でも商談や打ち合わせを行った企業は、名前を認識されている可能性が高く、接続率が上がりやすい傾向があります。
・過去問い合わせ企業
問い合わせや接点履歴がある企業は、課題意識を持っているケースが多く、代表電話でも取り次いでもらえる確率が高くなります。
・オウンドメディア接点のある企業
資料DL、記事閲覧、セミナー参加などの履歴がある企業は、新規リストよりも営業電話に対する警戒心が低くなります。
・決裁権者を優先したリスト設計
役職や担当部署が明確な企業から優先的に架電をすることで、「つながっても話しが進まない」というリスクを回避できます。
②複数チャネルで接点をつくる
電話だけで接続しようとするのは、限界があります。そこで有効なのが、マルチチャネルでの事前接触です。
・メール、サービスチラシ→コール
事前に簡単な案内メールやサービスチラシを送り、そのあとにフォローコールを行うことで提案時の心理的ハードルを下げます。
・展示会→コール
名刺交換後に「先日の展示会の件で」と伝えると、取り次いでもらえる確率が向上します。
・資料DL→コール
ダウンロード後のフォローコールは、決裁者が明確であり接続率が高い施策の一つです。
関連記事:【即実践】フォローコールの正しいやり方と改善のコツをトーク例で解説
③在宅勤務を前提にした対策
代表電話にかけても決裁者が出勤していないというケースは、年々増えています。そのため、在宅を前提にした情報収集が不可欠です。
・携帯番号の取得
可能な範囲で、直通や携帯番号を事前に把握しておくことで接続率は変わります。
・直通番号の確認
部署の直通番号が分かっているだけでも、代表電話を経由するより接続率は高まります。
・役職、決裁者の事前リサーチ
「〇〇部の△△様はいらっしゃいますか?」と具体的に伝えると、取り次ぎの確立が格段に上がります。
④通話ログの分析と改善
担当者接続率は、データで改善できます。通話ログを分析することで、つながらない要因と成功事例が見えてきます。
・断り理由の傾向を把握する
「忙しい」「今は不要」「担当者が異なる」など、断られる理由には必ず偏りがあります。
・トークスクリプトの改善
接続できなかった理由に応じて、用件の伝え方や切り返しトークを見直します。
・断り理由への返答を準備する
よくある断り理由に対する返しを用意しておくと、次のアクションにつながりやすくなります。
➡テレアポで使える切り返しトークのフォーマットをダウンロードする
⑤通話ログから改善するPDCAの具体例
接続率の改善を一過性の施策で終わらせないためには、PDCAサイクルを回す仕組みを組織に定着させる必要があります。
▼改善サイクルの例
1.断り理由を収集する
例:「忙しい」「今は間に合っている」
2.切り返しトークをチームで共有する
「忙しい場合は〇〇と返す」のように、対策を統一する
3.定型トークとしてスクリプトに落とし込む
個人のスキルに頼らず、誰でも使えるよう型化する
4.翌週に改善状況を確認する
接続率やヒアリング率がどう変わったかを数値で確認します。

関連記事:【受付ブロックされる営業から卒業】テレアポで”断られない”営業電話の作り方とは?
⑥着信スクリーニング対策
iOSの新機能として、不明な番号からの着信に対し、AIが自動応答で用件を確認し、その内容を文字で表示してから着信音を鳴らす「着信スクリーニング機能」が追加されました。
この影響で、営業電話は出る前に内容を判断される時代になっています。そのため、接続率を上げるには以下の対策が求められます。
・名乗りと用件を簡潔に伝える
会社名と連絡理由を冒頭で明確に提示することで、AI要約時にも意図が伝わりやすくなります。
・接点のあるリストを優先する
過去の対話歴、問い合わせ、セミナー参加など、何らかの接点がある企業は、完全新規よりも着信拒否されにくい傾向があります。
・事前接触と組み合わせる
メール送信後や資料DL直後にコールすることで、「心当たりのある連絡」として認識されやすくなります。
量ではなくプロセスを最適化する営業組織へ
架電数は営業活動の母数にすぎず、それを達成するのが目的ではありません。大切なのは、誰に・どうやって・いつかけるか、その後のヒアリングや提案、フォローに至るまで思考を巡らせることです。
今すぐできる改善チェックリスト
□架電リストを見直す
・過去に商談まで進んだ企業を上位リストに置く
・過去に接点を持った企業を優先する
□架電のベストタイミングを試す
・時間帯を絞る
・接続率を業種別に計測する
□複数回のコール設計・フォローコールを行う
1回目:挨拶とご案内、担当者の在席時間を確認する
2回目:担当者の課題をヒアリングし、次回アクションを設定する
3回目:フォローコールで意向を確認する
□通話ログを分析→スクリプト改善のPDCAを回す
①通話ログを分析
②断られるパターンを抽出
③1番多い理由に対する改善案を作成
④再度通話ログで確認
□KPIを可視化・モニタリングする
・接続率、アポイント率、商談率を分析
・接続率10%未満→リスト、時間帯の改善
・接続するが、アポイント率が低い→スクリプト改善
・アポイントは取れるが、商談化率が低い→ヒアリング、取得定義の擦り合わせ
量と質のバランスを担保してテレアポを改善しよう

「毎日100コール」「とにかく数をこなせば成果が出る」というのは、従来の営業手法です。現代で求められているのは、稼働データを活用したターゲティングやトーク設計、継続的なPDCAサイクルです。
今回ご紹介した「担当者接続率」「アポイント率」「商談化率」の指標をもとに、貴社のテレアポのプロセスをぜひ一度振り返ってみてください。
ただ、ここで必ずぶつかる壁が1つあります。それは、「じゃあ実際にどんなトークをすれば良いの?」というテクニックの部分です。
そこで、実務に落とし込めるトークスクリプトの雛形をご用意しました。貴社の商材に合わせてカスタマイズできる仕様になっているので、営業トークの基礎設計にお役立てください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

IS factory magazine(アイエス ファクトリーマガジン)編集部です。2022年開設。
定期的にインサイドセールスや営業に関するノウハウ、セミナー情報を発信しています。
