営業アプローチとは、顧客と接点を持ち、受注に向けて働きかける具体的な方法のことを指します。
営業活動は
・誰に(個人or法人)
・どのタイミングで(認知~検討~比較)
・どの手法を使って(電話/SNS/訪問など)
アプローチするかによって成果が大きく変わります。
しかし、営業アプローチには多くの種類があるため、「どの方法を選べばいいのかわからない」と悩む企業も少なくありません。
そこで本記事では、営業アプローチの種類と特徴を体系的に整理し、自社に合った最適な手法を選べるよう解説していきます。
こんな方におすすめ
✓ 営業手法を知りたい方
✓ どんなアプローチ方法があるか分からない方
✓ これから自社サービスを打ち出したい方
営業先によるアプローチの違い(個人営業/法人営業)

個人営業(BtoC)
一般消費者に対してサービスや商品を提供する営業スタイル。
決裁が早く、受注までが短い反面、単価は小さくなりがちです。
特徴
・決裁者に直接届けやすい
・感情価値の訴求が重要
・比較検討が短い
法人営業(BtoB)
企業の課題解決を軸に提案する営業モデル。
受注まで時間がかかるが、単価が大きいのが最大の特徴です。
特徴
・複数の決裁者が関わる
・ROI・再現性など論理的根拠が必須
・関係構築が長期にわたる
アプローチ方法による営業手法の違い
営業アプローチは大きく以下の2つに分類できます。
・インバウンドセールス(顧客から問い合わせが来る)
・アウトバウンドセールス(営業から働きかける)

ここからは、それぞれの特徴・施策・活用シーンを整理します。
インバウンドセールス
主な施策
・SNS
・オウンドメディア
・ホワイトペーパー
・プレスリリース
SNS
SNSは、FacebookやTwitter、Instagramなどのソーシャルネットワークを活用した施策です。近年はYouTubeやTikTokといった動画を活用して集客を行う企業も増えてきました。
消費者や顧客と近い距離で会話ができるようになった反面、発言によっては炎上のリスクがあるため、運用する前にガイドラインを設けるなどして対策を講じる必要があります。
オウンドメディア
公式ホームページとは異なり、より専門性の高いオウンドメディアを通じて認知度の向上、興味喚起を促す施策のことです。オウンドメディアはサイトの設計から始めるため、導入までのハードルは高いですが、noteといったメディアプラットフォームを活用すれば簡単に記事を投稿できます。
弊社もnoteを開設して社内の取り組みを発信しているので、お時間ある時に覗いてみてください。
ホワイトペーパー
オウンドメディアは記事以外にも、ホワイトペーパーというお役立ち資料から見込み客の流入が見込めます。コンテンツ同様、ホワイトペーパーも制作するまでに時間を要しますが、資料ダウンロード時に顧客情報を入力してもらうことでリード情報を得ることが可能です。
プレスリリース
プレスリリースとは、テレビ局や新聞社などの報道機関に向けてサービスの情報発信を行うことです。なかには記事を読んだ記者から「取材させてください」とオファーが入り、メディアに取り上げてもらえるチャンスも。
TVや雑誌といった知名度の高い媒体から取り上げてもらえることで、大きな契約に繋げることができます。
関連記事:マーケティング・セールス担当者に必要不可欠な「リード」と成果創出までのプロセス
特徴
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 顧客の検討意欲が高い | 成果が出るまで時間がかかる |
| 資料DL→リード獲得がしやすい | コンテンツ制作のコストが必要 |
| 顧客からの信頼を蓄積できる | 再現性の設計に知識が必要 |
向いている商材
・単価30万円以上のBtoB商材
・比較検討が必要な商材
・専門性が重要なサービス
アウトバウンドセールス
主な施策
・飛び込み営業
・テレアポ
・フォーム営業
・ダイレクトメッセージ
・展示会・セミナー
飛び込み営業
飛び込み営業は従来の営業手法で、営業マンが直接訪問し、アポイントを取ることです。顧客と直接的接点があることから信頼関係を築きやすいとされていましたが、コロナ禍で対面営業は減少し、より効率的にアプローチできるオンラインでの営業活動に変わっていきました。
テレアポ
テレアポは電話をかけて商談のアポイントを取る仕事です。効率的にアプローチできる反面、かける相手によっては冷たい反応をされるといった、架電リストに左右されやすいデメリットもあります。
ストレスを抱えやすい仕事でもあるので、社員のモチベーション管理は必須です。
関連記事:【図解】インサイドセールスとテレアポの違いを解説 | 失敗しない導入判断のポイントとは?
フォーム営業
フォーム営業は、企業のホームページにある問い合わせフォームへ営業メールを送る手法です。テレアポとは違い、顧客の好きなタイミングで確認してもらえるため、押し売り感が出ないのがポイント。
フォーム営業を取り入れている企業は多いので、顧客の目に留まってもらえるよう他社との差別化を図ったオリジナル文面を作成するのが良いでしょう。
関連記事:“フォーム営業”のススメ -文面のポイントやコツをご紹介!-
ダイレクトメッセージ
ダイレクトメッセージ(DM)はSNSなどを通じて直接顧客にメッセージを送る手法のことです。
SNSの流行により、DMを活用する企業が増えてきました。直接的な接点がある分、メッセージを送る際には失礼がないよう、注意深く確認することが大切です。
展示会・セミナー
展示会は直接足を運んでくれた顧客なので、見込み客になる可能性が高いです。セミナーなども他社と共催で行うことで相乗効果が見込め、受注に繋がりやすくなります。ただし、展示会の場合、費用が高額なので注意しておきましょう。
関連記事:ウェビナーとは?新規営業を成功させるポイントと8つの手順を解説
特徴
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 即効性が高い | 拒否されるケースもあり精神負荷が高い |
| 新規開拓に強い | 効率はリスト品質に左右される |
| 市場の声を直接聞ける | 組織的な管理が必要 |
向いている商材
・新規事業の立ち上げ期
・認知が低いサービス
・顧客の課題が表面化しやすい業界
営業プロセス別アプローチ

「取引別営業手法」、「アプローチ別営業手法」とタイプ別に紹介してきましたが、顧客のフェーズごとにも営業手法があるのでそちらも合わせてご紹介していきます。
フィールドセールス
フィールドセールスは、飛び込み営業のように対面で行う営業活動のことです。商談~受注までを担当することが多く、顧客と密なコミュニケーションを取って信頼関係を築いていきます。
インサイドセールス
インサイドセールスは、分業型の営業モデル「THE MODEL」が注目されるようになってからできた新しい営業スタイルです。主にマーケティング活動で得たリードから、テレアポなどの非対面でアプローチをかけ、アポイントの獲得に繋げます。
関連記事:インサイドセールスとフィールドセールスの違い | 「THE MODEL」との関連性もご紹介!
インサイドセールスが形成されたことで顧客の段階に合わせてアプローチをかけられるため、注力すべき課題や対策が一気通貫型の営業スタイルよりも明確になりました。
インサイドセールスを内製化するにはMAやSFAなどの管理ツールだけでなく、顧客との通話記録を残すためのCRMといったツールを導入することで精度の高い営業が実現できます。
「ツールの導入が下りるまで時間がかかる」、「初めからコストをかけられない」といった場合は、インサイドセールスを外注するというのもひとつの手です。外注することでツール導入の手間や人材育成といった金額と時間のハードルを下げることができます。
インサイドセールスの外注を検討されている方は、ぜひこちらもチェックしてみてください。

自社に合った営業アプローチの選び方
以下のフローチャートで判断できます。

営業の最新トレンド
営業の分野でもデジタル化が進んでおり、以下のようなトレンドが注目されています。
デジタルツールの活用
CRM(顧客関係管理)システムやMA(見込み客の育成)ツールを活用することで、顧客情報の一元管理、営業プロセスの可視化、効率的なフォローアップが可能となります。
関連記事:【MAツール】を活用して作業効率アップ!機能や導入のメリット・デメリットを解説。
ソーシャルセールス
FacebookやX(旧Twitter)、Instagramなどソーシャルメディアを活用して潜在顧客との接点を持ち、信頼関係を構築します。これにより、リード獲得やブランドの認知向上が期待できます。
また、オウンドメディアを活用して業界関連の有益な情報や、自社の成功事例、セミナー告知を行うことで業界のエキスパートとして顧客との信頼を築けます。
成功する営業パーソンの特徴
コミュニケーションスキル
成功する営業マンは顧客の話をよく聞き、顧客のニーズや課題を明確に理解することができます。ほかにも自社のサービスや商品価値を分かりやすく伝えることで、顧客の理解が深まります。
顧客理解と関係構築
長期的な関係を築いていくには、誠実で一貫した対応を心がけましょう。信頼があると顧客はリピーターになり、他のお客様を紹介してくれる可能性もあります。
顧客の立場に立って考え、共感することで強い関係を築くことができ、顧客の満足度が高まって契約に繋がりやすくなります。
問題解決能力
成約に結び付けるには顧客理解だけでなく、課題としていることを分析して適切な解決策を見つける能力も必要です。問題解決に対して積極的にアプローチしていくことで、顧客に信頼されるようになります。
また、変化に対する状況や顧客のニーズにも柔軟に対応し、迅速に対応策を提供する能力も必要です。
そのためにも常に最新の情報をキャッチアップし、スキルを向上させるために努力を惜しまない姿勢が成功に繋がります。書籍を読んだり、定期的にセミナーに参加するなどしてスキルアップを目指しましょう。
おわりに
今回はタイプ別に営業手法をご紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。
商材やサービスによっては、顧客層や需要の特性が異なるため、効果的なアプローチ方法を見つけることが重要です。新しいサービスを展開している場合は、積極的なアウトバウンド営業を活用することが効果的ですし、インターネットやSNSの活用によるインバウンド営業も現代のビジネス環境には欠かせない手法となっています。
ただし、どの営業手法を選択するにしても、顧客のニーズを理解し、それに対応するソリューションを提供することが重要です。
顧客が求めている価値や利益を明確にし、それぞれを実現するための営業戦略を展開することで、より成功率の高い営業活動が見込めるので、自社に合った最適な手法を見つけていきましょう。


IS factory magazine(アイエス ファクトリーマガジン)編集部です。2022年開設。
定期的にインサイドセールスや営業に関するノウハウ、セミナー情報を発信しています。
