営業の世界では、従来の「飛び込み営業」などの対面型スタイルから、オンラインを活用した効率的な営業手法へと大きくシフトしています。
特に注目されているのが、インサイドセールスとフィールドセールスの分業モデルです。分業型営業モデルの代表として知られる「THE MODEL」は、営業組織の生産性向上に大きく貢献しています。
本記事では、インサイドセールスとフィールドセールスの違いを明確にし、THE MODELがどのようにそれぞれの役割と関連しているのかを詳しく解説します。
こんな方に読んでほしい
✔ 営業体制を強化したい方
✔ 効率的な営業手法をお探しの方
✔ 営業組織における役割分担を知りたい方
THE MODELとは?分業型モデルの全体像
「THE MODEL」は2019年に福田康隆氏が著書『THE MODEL』で提唱した営業プロセスを4つの部門に分業する営業組織モデルです。元々はセールスフォース・ドットコムが採用し、成果を上げたことで広まりました。

THE MODELの4つの部門
1.マーケティング:リード(見込み客)の獲得
2. インサイドセールス:リードの育成・商談化
3. フィールドセールス:商談対応・受注獲得
4. カスタマーサクセス:顧客の成功支援・継続利用促進
この分業体制により、各フェーズでの専門性を高め、効率的かつ再現性のある営業活動を実現できます。
インサイドセールスとフィールドセールスの違い
営業活動を効率的に進めるためには、インサイドセールスとフィールドセールスの役割を理解し、適切に使い分けることが重要です。ここからは、それぞれの営業スタイルの特徴を詳しく見ていきましょう。
インサイドセールスとは

インサイドセールスは1990年代にアメリカで生まれた営業手法で、リードに対して電話やメール、Web会議ツールなどを用いてオンライン上(非対面)でアプローチを行う営業活動のことです。
インサイドセールスの主な業務
・リードナーチャリング(見込み客の育成)
・コールドリストへのアプローチ
・商談の設定とフィールドセールスへのリードパス
メリット
・迅速な対応:問い合わせ直後にアプローチ可能
・効率的な営業活動:訪問不要で対応件数を増やせる
・リードの継続育成:見込みの低いリードも長期フォロー可能
関連記事:【インサイドセールスとは】役割や重要性、必要なスキルなどの基礎知識を学ぶ!
フィールドセールスとは

一方、フィールドセールスは従来の営業スタイルである「対面営業」のことで、直接先方と接触して交渉を行うことをいいます。効率的なインサイドセールスの営業手法とは異なり、時間的なコストがかかりますが、直接顔を見て話を進めることで顧客との信頼関係の構築に繋げることができます。
フィールドセールスの主な業務
・商談対応と提案活動
・顧客ニーズの深掘りと課題解決
・受注、契約の獲得
メリット
・信頼関係の構築:対面ならではの親密な関係性を築ける
・高度な提案力:対話を通じた柔軟な提案が可能
・大口案件への対応:重要な商談や複雑な案件に対応しやすい
オンラインが主流になりつつありますが、一定数「顔を見て話がしたい」というお客様も少なくありません。このようなケースが起きた場合に対応できるのがフィールドセールスなのです。
関連記事:営業にはどんなやり方がある?アプローチ別営業手法を徹底解説!

THE MODELにおける両者の役割
これまではフィールドセールスがアポイントの獲得~受注まで担っていましたが、インサイドセールスが流行してきたいま、「インサイドセールス」と「フィールドセールス」をどのように分担していけばいいのかでしょうか。
ここで重要なのが、「受注見込みのあるリードか否か」です。
基本的に、今すぐの導入を検討している方は受注に繋がる可能性が高く、導入の目的等も明確であるケースが多いです。そのため、より密なコミュニケーションが求められるフィールドセールスでのアプローチが望ましいでしょう。
逆に、「情報収集段階」、「将来的に導入を検討している」という方は受注見込みが低い可能性があります。このようなケースは継続的なアプローチが必要とされるためインサイドセールスで対応するのが有効です。
このように、従来はリスト作成からアポイント、受注まで一気通貫で営業マンが担当していたものも、営業改革が進んでからはインサイドセールスとフィールドセールスに分けて一部業務を担うような形になりました。


THE MODEL導入による営業効率の向上
THE MODELを導入することで、各部門が専門性を発揮し、成果に直結する活動に集中できるようになります。特にインサイドセールスとフィールドセールスで役割分担を行うことで、次のようなメリットをもたらします。
1. 営業プロセスの可視化と改善
KPIを各部門に設定することで、どのフェーズでボトルネックが発生しているかを明確に特定できる
2. 属人性の排除
分業体制により、個人のスキルや経験に依存しない再現性のある営業組織が構築可能
3. 顧客体験の向上
マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの連携により、一貫した情報提供と迅速な対応ができる
関連記事:インサイドセールスのKPIとは?適切な設定方法と運用の具体例を解説!

まとめ
インサイドセールスとフィールドセールスはそれぞれ異なる役割を持ちながらも、THE MODELによる分業体制で連携することで、営業活動の効率を最大化します。
インサイドセールスとフィールドセールスの互いの強みを発揮することでパフォーマンスの向上にも繋がるので、それぞれの役割を理解したうえで自社に最適な営業組織を目指していきましょう!
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IS factory magazine編集部です。2022年開設。
定期的にインサイドセールスや営業に関するノウハウを発信しています。