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AIが進化し続ける時代に営業人材は生き残れるのか

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お掃除ロボットや無人AIレジなどAIの活用が日常に溶け込むなか、「AIに営業の仕事を奪われるのではないか」という不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

英国のオックスフォード大学でAIの研究を行うマイケル・オズボーン准教授とカール・ベネディクト・フレイ博士の論文では、

10~20年内に労働人口の約47%が機械に代替可能である

と発表しています。

最近ではChatGPTなども話題に上がり、仕事でもAIを使う機会が増えてきました。

AIの発展により、営業業界にも大きな変革が訪れています。このような状況下で、営業マンたちはどのように生き残っていくべきなのでしょうか?今回はその戦略について考えていきます。


営業職の人口変動

総務省統計局の「労働力調査年報」によると、営業人口全盛期の968万人(2000年)に比べて2018年には864万人と、20年間で約100万人の営業職が減少しています。
 
では、なぜここまで営業職が減少してしまったのでしょうか。
その背景には以下の理由が考えられます。
 
 

営業職減少の背景①消費者の購買プロセスの変化

一つ目に考えられる理由が購買プロセスの変化です。
 
インターネットが普及し、SNSが盛んになってきたなか、「消費者が営業を介さず好きなタイミングで商品を購入できる時代」になってきました。
 
今ではTwitterやInstagramだけでなく、TikTokやYouTubeなどの動画コンテンツも増え、SNSを見て商品の購入を検討する方も少なくありません。
 
また、個人インフルエンサーに留まらず、企業もアカウントを作って発信するようになり、「訪問営業」や「飛び込み営業」といった直接的な接点がなくなったのも大きな要因と言えるでしょう。
 
 

営業職減少の背景②ITツールの浸透

コロナウイルスの影響により、クラウド型の電話サービスやオンライン商談システムを導入する企業が増え、営業人材のコストがかからなくなったのも営業人材減少の要因と考えられます。
 
これまで行っていた顧客管理や事務的作業も、ITツールの浸透によって便利な世の中になってきたからこそ、よりレベルの高い営業が求められるようになってきました。
 
 


営業マンは決してなくなるわけではない

日本の営業人材は年々減少しているということをお伝えしてきましたが、営業マンは決してなくなるわけではありません。
 
その理由は、営業にできてAIにできないことがあるからです。


営業だからできること①専門性の高い情報の提供

営業はその道のプロであり、自社の商材であればネットで検索するよりも正確な情報を知ることができます。
 
AIはあくまで機械学習なのでネットに出ている情報しか集めることはできません。どれだけ優秀なAIツールであっても、学習していない情報を見つけ出すのは不可能です。
 
営業であれば分からないことはすぐに社内に確認し、伝えることができますがAIはそうはいきません。
 
そういった緊急を要する案件にも柔軟に対応できるのが、営業だからできることのひとつです。
 
 

営業だからできること②顧客の気持ちに寄り添った提案

営業マンにとって大きな強みと言えるのが、「相手の気持ちを汲み取る力に長けている」ということです。
 
営業はお客様の悩みに対して個別提案を考えたり、ニーズを分析して能動的に動くことはできますが、対してAIは与えられたものに対して受け答えするという受動的な対応しかできません。
 
お客様の気持ちを汲み取る力というのは営業だからこそできるものなのです。
 
顧客の性格パターンや趣味嗜好を知り、信頼関係を築いていけるのは営業ならではの役目であると言えます。
 
 

営業だからできること③顧客の潜在ニーズを引き出す営業

顧客が課題と認識していない潜在ニーズを引き出すには、直接顧客にヒアリングをする必要があります。
 
そこで登場するのが「SPIN話法」と言われる営業手法なのですが、これは顧客と直接コミュニケーションを取れる営業マンだからこそできる技なのです。
 

SPIN話法とは
S(状況質問)→P(問題質問)→I(示唆質問)→N(解決質問)と順を追って質問していくことで、顧客の潜在ニーズを引き出すセールス技法のこと


【SPIN話法に関してもっと知りたい方はこちら】

コミュニケーションを図ることで顧客との信頼関係の構築に繋げることができるのは、営業の強みでもあります。


AIが代替できるもの

ここまで営業だからこそできることをお伝えしてきましたが、AIにも営業に代わってできることがあります。
 

AIが代替できるもの①音声認識による議事録の作成

訪問商談からオンライン商談が主流になり、音声認識によるAIの議事録作成サービスを展開する企業も増えてきました。
 
これまで面倒だった議事録も、AIによって瞬時に書き起こし、事務的コストを削減することができます。商談時だけでなく社内会議にも使えるので、重要な施策を文字に起こして保管できるのもメリットです。
 
ただし、活用するツールによって精度が異なるので、導入する際にはトライアルから試してみるのをおすすめします。
 

AIが代替できるもの②事務的作業のブラシュアップ

AIは型の決まった単調な作業を得意とするため、メール文の作成などといった事務的な作業に役立ちます。
 
営業活動でも商談前のリマインドメールや契約書の催促メールが発生するケースがほとんど。商談が重なっていたり、ミーティングがあってなかなかメール文を考える時間のない時でも、AIツールを使えば時間を有効活用することができるのです。


これからの時代、AIを使いこなせる営業マンが強い

これからの未来、営業マンにとってAIは使われるのではなく、使いこなせるようにならなければいけません。
 
世の中にある便利なツールを最大限活用し、活かすことでより効率的に営業活動を行えるようになります。そのためには業界の市場を理解し、時代に合わせた営業スタイルを作り上げていくのが有効と言えるでしょう。
 
営業はなくなるわけではありません。
時代とともに変わることのできる職業なのです。



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IS factory magazine編集部です。2022年開設。
定期的にインサイドセールスや営業に関するノウハウを発信しています。

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