皆さん、こんにちは。
IS factory magazine編集部です。
研修カリキュラムに組み込まれることが多い、「ロープレ」という練習手法はご存じでしょうか。私たちインサイドセールスチームも新人育成のひとつとしてロープレマラソンを行いました。
このロープレマラソンは新人メンバーをよりスピーディーに育成するために、自社で必ず行われている研修です。今回はロープレの手法と、実際に行われた研修内容をご紹介していきます。
-こんな方にオススメ-
✓ 新人研修を担当されている方
✓ 効果的なロープレを実施したい方
✓ トークスキルを高めたい方
ロープレとは
ロープレ(ロールプレイング)とは、role(役割)とplaying(演じる)が組み合わさったもので、「顧客側と営業側に成り代わって商談や提案を体感すること」を言います。
顧客に架電するまでの予行練習として効果的な手法で、実際の営業シーンを想定した体験ができるため、ロープレを研修に取り入れている企業は多いです。
新人メンバーは商材説明、顧客との対話方法など営業活動に必要なトークスキルを学ぶために行います。既存メンバーは、営業課題の改善でロープレが取り入れられる場合も。
またチームメンバー同士で実施することで入社間もない新人メンバーと、既存メンバーがコミュニケーションを取るきっかけにもなります。
ロープレはスキルアップ、社内コミュニケーションの一環として研修カリキュラムには欠かせない手法と言えるでしょう。
ロープレの目的
ロープレは本番前の下準備としても重要ですが、「営業の質を上げる」という面で非常に効果的です。
お客様は必ずしも1パターンの返事とは限らず、提案に対して「No」と返ってくることもあれば、想定外の質問をされる可能性もあります。
いつどんな質問をされてもすぐに答えることができ、尚且つ切り返しトークを複数持ち合わせておくのが良いでしょう。そのために何度も練習を積み重ねて、お客様のパターンを事前に分析しておく必要があります。
また、他人から見た評価や、自分の癖を知るうえでもロープレは最適です。自身のトークをフィードバックしてもらうことで課題が明確になり、ブラッシュアップできるでしょう。お互いのトークを聴き比べ、言葉の引き出しが増えるといった相乗効果も期待ができます。
自社のロープレ事例
実際に、弊社ではどんなロープレをしているのかご紹介させていただきます。
よくあるロープレでは、「上司が新人のロープレ相手になる」企業が多いのではないでしょうか。ですが私たちインサイドセールスチームでは「メンバー全員がロープレ相手になる」と、ここが大きく違っています。同時期に入ってきたメンバー同士も行います。
では、なぜ全員が行うのでしょうか。
それは相手だけでなく、自分とも比較することで俯瞰して見えるようになるからです。
ロープレを行った後はフィードバックをしてチェックシートを提出する流れになるのですが、「顧客視点でどう見えたか」と「自分と比較してどう見えるか」の2つの視点で考えることができます。
上司と部下だけでは対等な立場で判断することができないので、同じ視点に立ったメンバーも加えることでより”リアルな声”を聞くことができるのです。
営業側だけでなく、双方の学びにもなるのでぜひ実践してみてください!
ロープレチェックシートで”課題を見える化”
ロープレ後に欠かさず行っている「チェックシート」。フィードバックだけでなく、チェックシートを見ることで自分の強みと課題を把握することができます。
記録に残しておくだけでも、見返した時にどこまで成長できたかを知ることができるので、チェックシートは欠かせません。
インサイドセールスチームでは各項目に対して5段階で評価し、良かった点と改善点は、より具体的に知ってもらうため、記入式にしています。
営業ロープレの種類
営業職のロープレは、以下4つの種類があります。
①ケース型ロールプレイング
②グループロールプレイング
③問題解決型ロールプレイング
④モデリング型ロールプレイング
①ケース型ロールプレイング
想定されるシーンを細かく設定して行うロープレです。特定の商材を扱っているインサイドセールスでは取り入れられることが多く、商材の理解度や顧客への対応力を強化できます。
②グループロールプレイング
メンバーをグループに分け、役割を交代しながら進める方法です。営業役・顧客役の双方を体験できるので、立場ごとの視点で分析が可能に。複数の視点で営業場面を体験できます。
③問題解決型ロールプレイング
実際の営業活動で起こった、現在起こっている課題を題材にするロープレを言います。現実味のある題材をテーマにすることで、実践的な対応を学べるのです。
④モデリング型ロールプレイング
代表者が見本としてロープレを実施し、その対応を真似するやり方です。成功しやすい言い回しをインプットできるので、新人メンバーが営業電話へのイメージをつける際に役立ちます。
ロープレを効果的に行うポイント
実践に活かせるロープレを行うためのポイントを3つ紹介していきます。
①目的、題材設定を明確にする
②その場でフィードバックを行う
③本番を意識して挑む
①目的、題材設定を明確にする
ロープレをする際は、実践に近い状況を再現する必要があります。実践したい場面を想定し、ロープレの目的と題材を伝えましょう。実際の営業電話では、アプローチ先が決まっており、リストで顧客情報を確認してからかけることが多いです。
曖昧なままではフィードバックをする側も、どこを評価すれば良いのか困ってしまいます。例えば、断られた時の切り返しトークを増やす目的と、質疑応答を強化する目的では、顧客役の問い方が全く異なるのです。
題材は自社のアプローチ先に合わせて、できるだけ細かく設定してロープレに挑みましょう。
<目的>
質疑応答の強化
アポイント取得するまでに2、3個質問をお願いいたします
<ロープレの題材例>
運営形態:個人経営の飲食店
場所:東京都
ジャンル:沖縄郷土料理店
人気メニュー:ゴーヤチャンプルー(880円)
従業員数:3名
営業時間:ランチ11:00‐14:00/ディナー17:00‐21:00
経営状態:家族運営、オフィス街のためランチタイムは大繁盛している、ディナータイムは近くにスーパーができ客足が減少している
②その場でフィードバックを行う
時間が経つと、どんな対話をしていたか忘れてしまうため、ロープレをした直後にフィードバックを行います。フィードバックで大切なのは、改善点と評価をしっかりと伝えることです。
「改善点を言ったら落ち込んでしまうかな」と伝えずにいては、相手のためになりません。ロープレはスキル向上を目的とし、課題の克服を目指して実施しているのではっきりと伝えましょう。
良かった点もフィードバックすることで、モチベーションに繋がります。また顧客側も自身にはない言葉の引き出しを発見できるため、お互いのスキルアップになるのです。
フィードバックをする際は、目的に着目して「良かった点・改善点」と項目ごとに考えながらロープレを受けるとまとまりやすくなります。
③本番を意識して挑む
より実践に近い状況を生み出すため、営業役・顧客役の双方が役になり切り、緊張感を持って取り組んでいきましょう。本番同様の緊迫感がなければ、実践練習にはなりません。
ロープレに慣れていない方は、恥ずかしがってしまうケースも多いです。そんなときはロープレの意図を理解すると、気持ちをつくることができます。たとえ仲の良い同僚とのロープレだとしても、真剣に挑みましょう。
どれだけ実践的な練習ができるかで、ロープレの効果が変わっていきます。
おわりに
今回はロープレの手法と、実際に行われた研修内容を紹介させていただきました。
営業研修の参考になれば嬉しいです!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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