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「インサイドセールスのクレーム対策」起因と顧客タイプ別手法を解説!

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皆さん、こんにちは。IS factory magazine編集部です。
 
近年、競合との差別化が求められているビジネス市場では、CX(顧客満足度)向上の取り組みの一つとして「クレーム対応」に注目が集まっています。
 
営業活動中に、1度はクレーム対応を経験したことがあるコールマーケターの方も多いのではないでしょうか。
 
アメリカTARP社のジョン・グッドマン氏がまとめた消費者苦情処理調査を分析し、顧客ロイヤルティ協会を設立した佐藤知恭氏が提唱した「グッドマンの法則」では

「苦情処理(対応)に不満を抱いた顧客の非好意的な口コミは、満足した顧客の好意的な口コミに対して、二倍も強く影響を与える」

顧客ロイヤルティ協会

と伝えています。

コールマーケターの誠意あるクレーム対応が、自社のブランド価値を高めているのです。

そこで今回は、インサイドセールスで起こりうるクレーム起因と、顧客タイプ別の対処方法をご紹介していきます。

-こんな方にオススメー
✓ クレーム対応に不安があるコールマーケター
✓ トークスキルを身につけたい営業マン
✓ 顧客満足度を高める取り組みを知りたい方

クレーム起因

インサイドセールスのクレーム起因には大きく分けて、自社都合お客様都合の2つがあります。

クレームの種類


自社都合

クレーム例
・忙しい時間帯に営業電話をかけてきた
・何回もしつこく営業電話がきた
・資料を請求したのに送られてこない

自社都合は不適切な対応や、書類の不備など会社に原因があるクレームです。
 
非対面で営業活動を行うインサイドセールスでは、電話対応やDXツールを使用した書類の不備でクレームが発生することが考えられます。
 
自社に要因がある場合は丁重にお詫びをし、同じ過ちを繰り返さないように社内フローの構築に努めましょう。
 
コールマーケターにとってはマイナスイメージが強いクレームですが、再び発生するクレームの防止策を立てることができるため、組織が成長する重要なチャンスと言えます。

自社都合のクレーム対応


お客様都合

クレーム例
・顧客が伝えた宛先が間違っており、資料が届かなかった
・顧客が説明をしっかり聞かないで、認識の違いを主張してきた
・誤解や勘違いで発生するクレーム

お客様都合は、顧客の認識の違い、誤解など自社に不備がない場合のクレームです。資料送付先の誤りや商談日の勘違いなどで起こりやすい起因とされています。
 
クレーム発生時は、顧客に伝わりにくかった部分へのお詫びと、対応の経緯を説明することが大切です。
 
謝罪のみでは会社要因と見なされ、顧客の要望がエスカレートしてしまう場合もあります。顧客の主張を聞いてから、お詫びをして認識の違いをしっかり伝えることが大事です。
 
また、今後も他の顧客も同じ要因で不満に思われることが考えられます。自社で改良できる点はないかを見直し、サービスの向上に繋げましょう。

お客様都合のクレーム対応


クレームタイプ別の対処方法

クレームには感情型、理論型、消極型の3つのタイプがあります。それぞれの特徴に合わせた対話方法を実践に活かしていきましょう。

感情型

感情型のクレーム

対策
・主張を聞く
・対話の場面を切り替える

感情を表に出して、怒りを伝えようとするタイプです。大きな声で怒鳴る、早口になるなど態度が高圧的に感じられます。
 
感情型は自身の不満を主張したい気持ちが強い傾向にあるため、顧客の話を聞くことを意識してみましょう。
 
怒りの感情がダイレクトに伝わってくるので、身構えてしまう方もいると思いますが、顧客の主張内容に注意を向けて気持ちを落ち着かせていきます。
 
話を聞くときは「それは、嫌なお気持ちになりますよね。」と、怒りの感情に寄り添いながら顧客と向き合う姿勢を示しましょう。不満を出し尽くすと、冷静に対話ができる場合が多いです。
 
対応策に上司の確認が必要な時は、顧客の不満の要因と要望を把握した状態で電話を終えて、上長に相談をします。対話の場面を切り替えることも、両者の気持ちを落ち着かせるには効果的です。
 
ただし確認に時間を要するときは、顧客の怒りを再燃させてしまう恐れもあるので、早めの対応を心掛けます。遅くなってしまう場合は、対応状況を顧客に連絡しておきましょう。


理論型

理論型タイプのクレーム

対策
・曖昧な回答をしない
・筋道を立てて話す

主張を理論立てて話し、納得できるまで突き詰めるタイプです。冷静で、淡々と話す方が多く言葉で不満を伝えてきます。曖昧な返答を嫌う方が多いので、対応策を細かく伝えましょう。
 
「どういうこと?」「何で?」と追及された場合には、焦らずに一つ一つの疑問に回答していきます。自身で判断できない内容は誤った対応策を伝えてしまわないよう、上長に確認をして正確な情報を伝えましょう。
 
再度連絡をする際は、伝える内容を紙に書くなど自身で事柄を整理しておくと言葉にしやすいです。
 
また自分の主張を中心に話を進めるため、反論や対立する接し方は逆効果です。意見を述べる時は、顧客の主張に同調したあとに話すと聞いてもらいやすくなります。
 
あやふやな対応には特に不信感を抱きやすいので、返信や対応策は早めに提示しましょう。


消極型

消極型タイプのクレーム

対策
・一方的に話過ぎない
・顧客の不満を引き出す

不満を積極的に伝えないタイプです。主張が少なく、穏便に済ませたいとの考えから、連絡があってもクレームと判別されないことがあります。
 
しかしこのタイプがクレームの連絡に至るには、明らかな不満や主張したい事柄を抱えているケースが多いです。
 
クレーム対応に納得がいかなくても言葉にはしませんが、解消されない場合は契約破棄など企業から突然離れていくことも。
 
この場合は、コールマーケターが一方的に対応策を述べるのではなく、顧客に不満を話してもらうことが大切です。発した言葉を繰り返す、共感するなど顧客の言葉に耳を傾けましょう。
 
強めの口調や、一方的に話を進めると顧客はより一層気持ちを打ち明けてくれなくなります。不満や要望を引き出した上で、対応策を話すと納得してもらえることが多いです。


未然に防ぐクレーム対策


クレームを無くすことは顧客の心理状況や応対環境で受け取り方が変わるため、難しいと言われています。

しかしコールマーケターの尽力によって回避できているクレームも少なくありません。

そこでインサイドセールスチームのコールマーケターが実践しているクレーム対策に効果的な取り組みを5つご紹介していきたいと思います。

防止対策
・営業活動の内容を残す
・顧客の多忙な時間を避ける
・情報共有をする
・業界知識を持つ
・テキストメッセージの活用


営業活動の内容を残す

アプローチ後は、必ず営業の活動履歴を残します。ここで大切なのは、出来るだけ詳細な情報を残すということです。
 
顧客の温度感、架電時間、資料送付の有無など、一目で架電状況を把握できるように記録しておきましょう。
 
経緯を詳細に残しておくことで、過剰架電や資料送付のもれに気づくことができます。顧客ごとに忙しい時間帯を記録すると、ピークタイムを外したアプローチも可能に。
 
また自身のリスト全体のステータスを分析すると、営業活動のブラッシュアップになる場合もあります。


多忙な時間を避ける


顧客の業種によって営業時間や繁忙期は異なります。事前に下調べを行い、業務負担の少ない時間を予測してアプローチしていきましょう。
 
電話をかけて「今、忙しいので」と言われたときは、改めて時間を変えて連絡をするのが望ましいです。無理に話を続けてしまうと、返ってクレームを発生させてしまうことがあります。
 
それでもお話を聞いていただけた場合は「お忙しい所、ご対応いただきありがとうございます。」と一言感謝の気持ちを伝えると良心的です。
 
対応に迷ったときは、自分が顧客と同じ状況だったらどうしてほしいかを考えて行動すると良いでしょう。


情報共有をする

毎日のミーティングで、前日に起こった事例をチームで共有できる場を設けています。お客様対応を綿密に共有することでクレームへの備えができるでしょう。
 
顧客への対応が遅れてしまうとクレームに発展する場合もあるので、迅速な判断を行うためにも事例の把握は役立ちます。
 
営業活動中に困ったときは、管理者へ相談できる環境を整えておくことも大切です。自身で判断できない内容は一人で抱え込むのではなく、周囲と協力して対策を考えていきましょう。
 
また、クレームがコールマーケターに与える精神的ストレスは大きいと言われています。管理者の方は対応後のコールマーケターへのフォローも気にかけたいところです。
 
全体で話しにくい内容は、1on1などの小ミーティングを組んでアウトプットできる環境をつくっていきましょう。


業界知識を持つ


知識やマナーは、顧客との信頼関係を構築する上で重要視されています。不信感を与えてしまうと、些細な不安がクレーム化してしまうことも。
 
知識を増やすために、最新市場の共有や研修で知識をインプットする時間をつくることがおすすめです。インサイドセールスメンバー主催の研修ではロープレやゲーム方式を取り入れるなど、実践的な内容で行われています。
 
<研修の舞台裏を覗く>


また、商談経験の少ない新人さんにはベテランメンバーの同席や、録画を見て実践の空気感を知っておくと心構えができるでしょう。
 
<研修で行われるロープレマラソン>


テキストメッセージの活用

インサイドセールスチームではサービス資料と合わせて、メールで事前に商談日程を送付しています。商談日程の認識違いは、信用を失うクレームに発展しやすいです。
 
口頭だけではなく、テキストに残して日程の勘違いを減らしていきましょう。
 
また先方の都合で「商談当日に連絡がつかない」等、電話での連絡が難しい場合にもテキストメッセージは役立ちます。
 
機器トラブルや時間の勘違いで連絡が取れないなど、あらゆるリスクを想定して状況確認の連絡を残しておくと、顧客からの信頼に繋がることも。
 
テキストメッセージは良くも悪くも履歴として残るため、文面は送付前に読み返しておくと安心です。
 
<ビジネスメールの基礎を学ぶ>


おわりに

クレーム対策のイメージはつきましたでしょうか。

最後に顧客タイプ別の対処方法をまとめておきます。突発的に発生するクレームの備えとして、頭の片隅で覚えていただけると嬉しいです。

顧客タイプ別のクレーム対処方法


顧客満足度の向上には、コールマーケターの力が欠かせません。たくさんの事例を共有しながら皆で組織を作り上げていきましょう!
 
最後までお読みいただきありがとうございました。


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IS factory magazine編集部です。2022年開設。
定期的にインサイドセールスや営業に関するノウハウを発信しています。

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