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BANTCとは?5つの要素と実践的なヒアリング方法を解説!

ヒアリングの基本であるBANTCとは?各要素や効果をご紹介! 用語集
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BANTC(バントシー)情報はBudget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(需要)、Time frame(導入時期)、Competitor(競合他社)のことで、優良アカウントをターゲティングするための情報として知られています。

商材に対する企業の温度感が明確になることで、営業活動の対策を綿密に立てることが可能です。顧客への個社別提案は、商談成約率を左右する程重要視されています。

BANTC情報の解説


 

BANTC情報を聞き出すヒアリングを意識して、トークに組み込んでいきましょう。今回の記事を読んで参考にしていただけたら嬉しいです。

こんな方におすすめ
✔ ヒアリングのフレームワーク『BANTC』を詳しく知りたい方
✔ 営業活動を効率的にしたい方
✔ ヒアリングが苦手な方

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BANTCの5つの要素とヒアリング例


BANTCの情報は事前にお客様情報をヒアリングしておくことで、受注の精度を高めることが出来ます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

関連記事:MEDDICの営業フレームワークとは?BANTとの違いやトーク事例をまるごと解説!

関連記事:営業がもっとラクになる!現場で使える営業フレームワークの基本と活用術【テンプレ付き】

Budget(予算)

予算を聞くことは、営業のヒアリングにおいて基本的な項目のひとつです。

取り入れるメリットのある商材でも、予算と合わなければ失注となるケースも珍しくありません。企業によっては予算に合わせたプランの提示ができるので、定量的な予算の確認はしておくと良いでしょう。

ただし、聞きにくい質問ですので、ヒアリングする際には注意が必要です。初回接触時にいきなり予算を聞くのはハードルが高いため、場面に応じて対応するのがベストです。

既存商材の活用頻度や会社規模から大まかな予算を推測できる場合もあるので、事前にホームページでリサーチをしておきましょう。

【ヒアリング例】
「御社のご予算に合わせてご提案させていただきたいので、差し支えなければご予算をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

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Authority(決裁権)

決裁権のある担当者を把握しておくことで、意思決定に時間をかけず、受注までスムーズに進められます。

決裁権のない担当者と話を進めても、そこからまた決裁者に承認をいただく手順が発生するので、決断まで時間を要します。商談の際はなるべく決裁権のある方と話を進められるのが良いでしょう。

また、直接電話口で指名して繋いでもらえる可能性が高まるため、決裁権のある担当者名は早い段階で聞いておくと営業活動を効率的に行うことができます。

ファーストプローチで決裁者を知りたい時は、先に自身を名乗ってから聞くのがマナーです。名前を間違えてしまうと失礼になるので、聞き取りずらい場合は復唱確認をしましょう。

【ヒアリング例】
「最終的なご決断は○○様になりますか?」


Needs(需要)

ニーズは単に、「自社のサービスを必要と感じているか」を聞き出すだけではありません。そのサービスを”なぜ”必要と感じてくれたのか、”どんな点”に不安要素を感じるかなど、「理由」を探る必要があります。

その理由によって提案材料が変わったり、課題解決を行うことができるのです。いわば理想と現実のギャップを穴埋めしていくようなイメージです。

サービスに必要性を感じていない状態で、商材を説明しても顧客の興味を引くことは難しいでしょう。

まずは商材に合わせた企業の近況情報を聞き出し、サービスを活用できる機会がないかヒアリングをします。顧客の課題を引き出すことが出来れば、アプローチのチャンスと言えるでしょう。

活用できるシーンに合わせて、商材説明を行うと営業トークが響きやすくなります。

関連記事:【SPIN話法】でヒアリング力を強化。営業に必要なテクニックをご紹介!


Time frame(導入時期)

サービスの具体的な導入時期を確認します。

せっかく商談をしても、導入時期の見通しがなければその場で成果に結びつきません。

導入時期を事前に把握しておけば、商談のスケジュールや案件を管理しやすくなるので、適切なタイミングでアプローチできるようになります。

将来的な導入を考えているようであれば、あまり深追いせず、ナーチャリング(育成)対象として継続的にアプローチしていきましょう。再アプローチ時期は、企業の繁忙期を予め把握しておくことも大切です。

導入までに長期間かかる時は、顧客の温度感が下がらないよう定期的に状況確認を行うことで、必要なタイミングを逃さずに営業活動ができるでしょう。

【ヒアリング例】
「もしご契約いただける場合、導入時期はいつ頃をお考えですか?」

関連記事:ABMとは?流行の背景や営業との関係性


Competitor(競合)

顧客の事前情報として、競合の存在も知っておきましょう。

他社での利用を検討している場合や、資料請求をしている場合は、他社のサービスと比較して提案することもできます。提案材料を多く持っておくことで、他社サービスと合わせて検討いただける可能性があるのです。

競合分析で市場動向が見えると、トークに信憑性が増し顧客からの信頼にも直結していくでしょう。

顧客から競合サービス名が出てくる場面では、比較した自社の強みをトークの一つとしてストックしておくと安心です。

また、競合だけではなく、顧客の業種の市場分析も行うと顧客視点での提案ができるので定期的にチェックしておきましょう。

【ヒアリング例】
「そのほか、ご検討中の企業様はいらっしゃいますか?」


BANTCがもたらす3つの営業効果


 

BANTCをヒアリングのフレームワークとして導入することで、以下の効果があります。

①現状の把握と案件管理がしやすくなる
②顧客が感じるボトルネックを洗い出せる
③提案材料が増えて効率的な営業ができる


現状の把握と案件管理がしやすくなる

お客様にヒアリングした情報をログ(履歴)として残しておくことで、現状を把握することができます。温度感を出来るだけ詳細に記入すると、次回アプローチの対策に役立つことも。


例えば、自社のサービスを検討中のA社と、情報収集のために他社も含めて資料請求をしているB社がいたとします。2社を比べると、より温度感の高いA社から受注できる見込みがあるので、A社を優先してアプローチするのが正解です。

ヒアリングした項目が多ければ、その分リストの優先順位付けをしやすくなりますし、案件も管理しやすくなります。

再アプローチの際は、前回話した内容が話題に上がることも少なくありません。計画立てて、担当者と継続的なアプローチを目指していきましょう。

関連記事:コールドリストとは?ハウスリストとの違いと効果的な活用法をわかりやすく解説


顧客が感じるボトルネックを洗い出せる

「受注」や「失注」、「検討中」に”理由はつきもの”です。

 「どんな点に魅力を感じていただき、受注に至ったのか」
「なぜ失注になったのか」
「いつまでに決断いただけるのか」

これらをヒアリングするのも営業の役割であり、理由を聞くことで顧客がネックに感じている部分を洗い出せます。顧客の声はサービス向上の大事なヒントです。

サービスに魅力は強みに、失注の要因は弱みとして対策を練りましょう。決断時期を聞けた場合は、再アプローチの目安になります。

またリストごとに集計すると、思わぬ市場動向が見えてくることも。

理由が分からなければ対策を考えるのも難しくなるので、BANTCのヒアリングは効果的と言えるでしょう。


提案材料が増えて効率的な営業ができる

ヒアリングにより、ボトルネックを洗い出せたことで提案材料を増やすことができます。以前断られたデメリットへのアプローチトークを持つことで、次回同じ理由を言われた時に企業を見込み顧客へと育成できるケースも。

例えば、他社サービス検討中のお客様の場合

「前回、○○様から他社サービスも検討中とお話を伺っておりましたので、今回は他社との比較も含めて、弊社のサービスをご紹介させていただければと思います。」
と、アプローチをしかけることができます。

引き出しをたくさん持っておくことでお客様が感じる「不安要素」を解消できるのも、BANTCがもたらす効果のひとつです。切り返しの幅を広げて、営業トークに活かしていきましょう。

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BANTCを活用する営業リスト管理・スコアリング方法

限られた時間とリソースのなかで優先度の高い顧客に注力するためには、「BANTC情報に基づいたスコアリング」が有効です。

この章では、BANTCフレームワークを活かしたリード管理の具体的な手法と、CRMツールとの連携による実務での活用例をご紹介します。


BANTC項目にスコアをつけてリストを可視化・優先度管理

BANTCの各要素に対して、営業現場では以下のような基準で点数を付与し、リストのなかでの見込み度を数値で見える化します。

スコア基準例
B(予算)   明確に予算あり:10点/検討中:5点/未定:0点
A(決裁権)  決裁者と確定:10点/影響力あり:5点/不明:0点
N(需要)   自社と合致:10点/一部合致:5点/課題認識なし:0点
T(導入時期)  3ヶ月以内導入:10点/6ヶ月以内導入:5点/未定0点
C(競合)    競合なし:10点/競合比較中:5点/競合優位:0点

→合計スコア最大:50点
点数が高いほど受注確度が高いとみなし、ホットリードとして優先的にアプローチをします。


CRMツールでの入力・活用イメージ

多くの営業組織では、SalesforceやHubSpot、kintoneなどのCRM(顧客管理システム)を導入してリード情報を集約しています。

これらのツールでは、BANTCの各項目をカスタム項目として登録することで、下記のような管理ができます。

カスタム項目例
B(予算)   選択式(あり・検討中・なし)
A(決裁権)  テキスト入力(顧客情報)or選択式(決裁者・影響力あり・不明)
N(需要)   テキスト入力+評価
T(導入時期) 選択式(3ヶ月以内・6ヶ月以内・未定)
C(競合)   テキスト入力(競合名・優位性)

さらに、スコアリング機能の設定をすることで、条件に応じてリードスコアが自動で加算され、営業担当者の一覧画面上にホットリードを優先的に表示することも可能です。


スコアが高いリードを重点的にアプローチする体制構築

スコアリングによって「どのリードに優先的にアプローチすべきか」が明確になるため、営業体制や戦略にも一貫性を持たせやすくなります。

実務での活用例
・インサイドセールス部門がホットリードを選別し、フィールドセールスに引き渡す
・スコア40点以上のリードのみ、商談設定の対象とする
・ホットリードに対しては資料送付や無料デモなどの特典を付与し、成約率アップを図る

このように、スコアに応じた行動基準を組織全体で設定することで、効率的に成果につなげることができます。


管理とスコアリングのDX化が営業成果に影響する

BANTCスコアリングは、属人的な営業から脱却し、客観的な判断基準に基づく営業プロセスの標準化を実現します。

特に、営業活動のDX化を推進する企業では、CRM上でBANTCスコアを一元管理し、部門間のスムーズな連携やAIによる案件予測にも応用が可能です。

BANTCを情報管理ツールとして終わらせず、スコアリングと連携させてリスト管理に活用すると、営業戦略の質を引き上げることができます。


【事例紹介】BANTC×CRMでニーズを可視化、3週間で110件の商談獲得

背景と課題
大手ヘルスケアブランドの企業では、新たにリリースしたサービスの新規開拓を目的に、インサイドセールス代行を活用。過去の委託先では、稼働状況が不透明で、アポの質や顧客の反応が見えづらいという課題がありました。

実施内容
・CRM上にBANTC項目を設計
・架電時に取得したヒアリング情報を記録し、アポだけでなく断り理由や関心度も可視化
・対象企業へDM送付後のフォローコール、ナーチャリング、アポ獲得

成果
・実施期間:約3週間
・商談獲得110件(アポ率22%)
・BANTC情報、断り理由をCRMで一元管理しデータで納品

ポイント
・BANTC活用により、温度感の高いリードに集中でき、商談化率が向上
・CRMで商況、顧客の声を共有できマーケティングや商品改善にも貢献可能
・アポ獲得+データ納品によって営業活動の見える化と次の打ち手につながる基盤を構築

関連記事:【顧客事例③】大手ヘルスケアブランド企業様 ヘルスケア・アプリサービスの導入企業を新規開拓


おわりに

今回はBANTCについて詳しく解説していきました。

BANTCは基本的なヒアリングのフレームワークとして使われていますが、「どんな質問をしたら良いか分からない」という方はぜひ参考にしてみてください。

 また、営業のヒアリングシートを設けている企業様もいるかと思いますので、ご自身が使っているシートと照らし合わせてみるのも良いかと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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IS factory magazine(アイエス ファクトリーマガジン)編集部です。2022年開設。
定期的にインサイドセールスや営業に関するノウハウ、セミナー情報を発信しています。

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