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営業トークスクリプトの作り方!テレアポの質を高める運用方法を事例で解説

営業トークスクリプトの作り方!テレアポの質を高める運用方法を事例で解説 ノウハウ
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営業トークスクリプトは、架電や商談で使われる「顧客と話す内容をまとめた台本」を指します。

営業活動を始める前に作成されるトークスクリプトは、アプローチの基盤であり成果に直結する重要なツールです。
 
そこで本記事では、営業トークスクリプトの作り方や例文を解説していきます。インサイドセールスの活用事例も紹介しているので、営業スキルの向上にお役立てください。

こんな方におすすめ
✓ 顧客との関係性を強化して成果に繋げたい方
✓ 効果的な営業トークやフレーズを知りたい方
✓ リードの質を高めたい方

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  1. 営業のトークスクリプトとは
    1. なぜ営業成果に直結するのか
  2. 営業トークスクリプトの3つのメリット
  3. 【例文付き】テレアポで使える営業トークスクリプトテンプレート
    1. ①挨拶・自己紹介
    2. ②フロントトーク(興味喚起)
    3. ③アポイント打診(本題)
    4. ④クロージング
  4. 営業トークスクリプトの作り方|目的設定からペルソナ設計まで
    1. ①目的と営業手法を決める
    2. ②ペルソナを設定する
    3. ③ヒアリング項目を明確にする
    4. ④フローチャート形式で可視化する
  5. 成果に直結するスクリプト作成のコツ
    1. ①会話パターンに応じたアクションを設定する
    2. ②現在→過去→未来の順でヒアリングをする
    3. ③営業担当者の声を聞く
    4. ④改善をくり返す
  6. 【NG例あり】失敗しないトークスクリプトの改善ポイント
    1. NG例①:押し売り感のあるフレーズを使っている
    2. NG例②:トークが長すぎて一方通行になっている
    3. NG例③:顧客ニーズを想定していないテンプレ構成
  7. 【成功事例】インサイドセールスのトークスクリプト改善法
    1. ①フレーズの見直しで成果を最大化した事例
    2. ②受付ブロックの突破で担当者接続率が向上した事例
    3. ③資料送付トークの工夫でアポ率が上昇した事例
  8. 営業の質を高めるトークスクリプト活用術
    1. ①ロールプレイング(ロープレ)で実践練習をする
    2. ②CRM・SFAと連携して活用する
    3. ③チームナレッジの共有・アップデートを行う
    4. ④トークスクリプトを教育ツールとして活用する
  9. まとめ:成果を生む営業の「型」をつくる

営業のトークスクリプトとは

営業トークスクリプトの構成


営業トークスクリプトとは、顧客との会話の流れをまとめた営業用の台本です。挨拶やフロントトーク、アポイント打診(本題)、クロージングなどの要素で構成され、営業担当者が自信を持って商談を進めるための指針となります。

とくに、インサイドセールスやテレアポのような非対面営業では、スクリプトがあることで「何を・どの順に・どんな言葉で」伝えるかが統一され、成果の再現性が高まります。


なぜ営業成果に直結するのか

HubSpot Japanが実施した「日本の営業に関する意識・実態調査2025」によると、営業職で最も重要視されているスキルは「コミュニケーション能力(55.5%)」でした。(出典:HubSpot Japan「日本の営業に関する意識・実態調査2025」)

トークスクリプトは、このコミュニケーション能力を体系的に鍛える有効な手段です。話す順序や言葉選びを明文化することで、顧客との対話を円滑に進められるようになり、ヒアリング力・提案力の向上にもつながります。


営業トークスクリプトの3つのメリット

営業トークスクリプトを導入することで、以下の3つの効果が得られます。

①営業トークの基準ができる
・全担当者のトーク内容や知識を統一でき、スキルのバラつきを防止
・新人でもベテランと同じ基準で顧客対応ができる

②営業トークの質を高められる
・顧客の反応や成果データをもとに継続的に改良し、実践に適した提案を実現
・成功事例をスクリプトに反映させることで、チーム全体のパフォーマンスを底上げできる

③研修・育成期間を効率化できる
・トーク例や想定される質問への回答を含めることで、未経験者でも短期間で即戦力化できる
・教育時間を削減しながら、均一な品質の提案が可能になる


【例文付き】テレアポで使える営業トークスクリプトテンプレート

テレアポで成果を出すためには、効果的なトークスクリプトの作成が不可欠です。以下のテンプレートを活用し、相手の警戒心を解きながら自然に本題へ導きましょう。

テレアポのトークスクリプト事例


①挨拶・自己紹介

お世話になります。
株式会社〇〇(会社名)の△△(名前)と申します。

弊社は□□(商材の概要)を提供しておりまして、
本日は××(用件)件でご連絡させていただきました。

担当者の方へお取次ぎをお願いいたします。

ポイント
・明るくハキハキと名乗り、安心感を与える
・受付対応時は「問い合わせ・確認・ご相談」といった柔らかい用件を使う
・担当者が不在の場合は在籍日を確認する


②フロントトーク(興味喚起)

弊社は、□□を効率化するサービスを提供している会社でございます。
この度は、×××の件でご連絡させていただきました。
今、数分程度お時間よろしいでしょうか?

ポイント
・相手の了承を得てから本題へ進む
・「〇〇のサービスはご存じでしょうか?」などの質問で興味を喚起する
・オープンクエスチョン、クローズドクエスチョンを使い分ける

関連記事:営業に必要な質問力とは?成約率を上げるオープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンの使い方


③アポイント打診(本題)

弊社は□□(商材の概要)にお役立ていただけるサービスでございます。

この度、△△業界向けに期間限定で無料キャンペーンを開催することになりました。△△業界の皆様には、〇〇(導入のメリット)にご活用いただけます。

今後の情報収集として、〇分程度お話の機会をいただけないでしょうか。もしお話を聞かれてみて合わないようであれば、見送っていただいてもかまいません。

ポイント
・数値を交えた事例や導入メリットを提示する
・「情報収集」「参考までに」など心理的ハードルを下げる言葉を使う


④クロージング

例えば、〇日の〇時~はいかがでしょうか?

(必要事項のヒアリングと復唱確認)

本日、〇〇が担当いたしました。
お時間いただき、ありがとうございました。

ポイント
・担当者の意向が変わらないよう直近の具体的な日にちを提案する
相手のニーズを確認し、次のアプローチを明確にする
・メールアドレスや電話番号、日程は聞き間違えがないよう復唱確認を行う

【より詳細なトークスクリプトテンプレートのダウンロードはこちら】

トークスクリプトテンプレートのダウンロード


営業トークスクリプトの作り方|目的設定からペルソナ設計まで

営業トークスクリプトの構成が理解できたところで、作り方の手順をお伝えします。顧客の心理に基づいて情報を整理しましょう。

営業トークスクリプトの作成手順


①目的と営業手法を決める

まずは、営業の目的を定義します。これにより、スクリプトのトーンや構成にブレがなくなるため、トークの方向性を統一できます。

目的:アポイント獲得、受注、リードナーチャリングなど
手法:テレアポ、インサイドセールス、オンライン商談、訪問営業など


②ペルソナを設定する

自社サービスのターゲット層を具体化し、顧客が持つ課題やニーズへの理解を深めます。ペルソナが曖昧だと、「誰に何を伝えるか」が不明確になり、適切な情報をトークに組み込めなくなります。

例:業種、役職、抱えている課題、業務フロー

【ペルソナ・カスタマージャーニー設計シートのダウンロードはこちら】

カスタマージャーニーマップ設計テンプレート


③ヒアリング項目を明確にする

顧客の現状や課題を把握するための質問を決めます。BtoBでは、「MEDDIC」や「BANTC」などの営業フレームワークを参考にするのがおすすめです。

ヒアリング項目
MEDDIC:決裁権者、意思決定基準、意思決定プロセス、課題、擁護者
BANTC:予算、決裁権、需要、導入時期、競合他社

関連記事:MEDDICの営業フレームワークとは?BANTとの違いやトーク事例をまるごと解説!


④フローチャート形式で可視化する

最後は、ヒアリング項目を基に相手の返答に応じたトークの分岐を図式に落とし込みます。受付断り・了承・保留など複数のケースを想定して設計すると、営業経験やスキルを問わずにスムーズに対話を進めることが可能です。


成果に直結するスクリプト作成のコツ

営業トークスクリプトは作ることが目的ではありません。成果を出すスクリプトは、現場で磨かれていくものです。ここでは、実践的なスクリプト作成のコツを4つご紹介します。


①会話パターンに応じたアクションを設定する

顧客との対話は、常に同じ流れでは進みません。「相手が前向きな反応を示した」「検討中で迷っている」「興味が薄い」など、パターンごとに次のアクションを決めておくと、突発的な応対に備えることができます。

会話パターン次のアクション例
興味ありサービス説明・商談日程の調整
検討中検討材料(資料・他社比較)を送付
興味なし短時間で価値訴求→再接点の約束
担当者不在在席日の確認

こうしたシナリオの分岐を予めスクリプトに組み込むことで、対応に迷いがなくなり、成果の再現性が高まります。

関連記事:【業種別】テレアポの最適な時間帯と成果を上げるアプローチ手法


②現在→過去→未来の順でヒアリングをする

ヒアリングパートでは、質問の順番がとても重要です。情報を引き出しやすくするためには、「現在→過去→未来」の流れで構成しましょう。

1.現在:現状の取組み・課題を確認する
例:「今はどのように営業活動をされていますか?」

2.過去:なぜそのやり方を取っているのか背景を聞く
例:「以前、営業代行会社を利用されたことはありますか?」

3.未来:理想像や目指す方向性を確認する
例:「今後、代行会社の活用を検討する時期はいつ頃でしょうか?」

この順序で聞くことで、相手の思考が整理され、本質的な話題を打ち明けてもらいやすくなります。

関連記事:営業心理学を活用!テレアポに役立つアポイント獲得の心理戦略5選


③営業担当者の声を聞く

現場で実際に顧客と会話をしているのは、営業担当者です。スクリプトを卓上で作成するのではなく、顧客の反応や現場の声を取り入れて作ることが、成果を出す近道です。

実践ステップ
①成約・失注時の録音データやアプローチ状況を分析
②営業担当者の「上手くいったフレーズ」「反応が悪かった表現」を共有
③チームで成功パターンを定義し、スクリプトに反映

現場発信のスクリプトは、精度が高く、顧客にも響きやすくなります。

関連記事:営業アポ取りで成果を出すには?押し売り感ゼロの切り返しトークと成功事例を公開


④改善をくり返す

どんなに良いスクリプトでも、顧客の課題や市場の変化に合わせて更新が必要です。週単位・月単位で見直しを行いましょう。

改善のポイント
・定量的な指標(アポ率・担当者接続率・失注理由)を定期的に分析
・トーク録音を振り返り、反応が良かった箇所を明文化
・改善版を作成し全員でテスト→効果検証→定着

この繰り返しがスクリプトの質を高めていきます。営業活動のナレッジを集約し、効果的な手法を取り入れましょう。短期間で成果を出したい方は、業界に特化したナレッジやノウハウを保有している代行会社を活用するのもおすすめです。

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【NG例あり】失敗しないトークスクリプトの改善ポイント

スクリプトの活用で失敗しないために、よくある改善ポイントをご紹介します。実践の会話で「どこが響いたか」「どこで離脱されたか」を分析し、定期的にブラッシュアップしましょう。


NG例①:押し売り感のあるフレーズを使っている

NG例
・「御社には絶対に必要なサービスです」
・「今契約しないと損をします!」

このような断定的な強い表現は、警戒心を与えてしまいます。BtoB営業では、「論理的な納得感」が重視されるため、感情的な訴求は逆効果です。

改善策
・「同業他社でも導入が進んでおり、成果が出ている事例があります」
・「お話しを聞いていただいた上で、必要かどうかご判断いただければと思います」

断定ではなく、情報提供や選択肢の一つとして提案することで、相手の主体性を尊重した会話ができます。


NG例②:トークが長すぎて一方通行になっている

NG例
「弊社は~でして、サービスの特徴は3つありまして…(3分以上説明)」

顧客の関心度が分からない段階で、情報を詰め込みすぎると、途中で集中が途切れてしまいます。

改善策
・「導入事例」「コスト削減」「サポート体制」など訴求軸を3つ以内に絞る
・「弊社のサービスはご存じでしたか?」「ご利用されたことはありますか?」などの質問を挟む
・顧客のリアクション(相槌・返答)を見てテンポを調整

トークスクリプトには、一息おくポイント質問事項を明示しておくと効果的です。


NG例③:顧客ニーズを想定していないテンプレ構成

NG例
・「弊社のサービスは業務を効率化できます」

誰にでも同じ話しをしてしまうと、相手の課題に刺さりません。特にテレアポでは、顧客の業種や規模によって関心を寄せるポイントが異なるため、注意が必要です。

改善策
・業種別のスクリプトを用意する
・業界別に訴求ワードを変える

・人材業界向け→採用コスト削減
・製造業向け→営業効率化・省人化
・IT企業向け→リードナーチャリング支援

ターゲットの属性に合わせてトークを切り替えられる柔軟性が、成果を左右します。


【成功事例】インサイドセールスのトークスクリプト改善法

では、実際に弊社のインサイドセールス支援で成果に結びついた改善事例を3つご紹介します。いずれも、データ分析や現場の声をもとにスクリプトを改良した結果、アポイント率や接続率の向上につながったケースです。


①フレーズの見直しで成果を最大化した事例

人材サービスの営業支援では、チームメンバーへのヒアリングから「採用代行」という言葉に顧客がネガティブな印象を持っていることが判明しました。活動データでも断り率が高い傾向が見られたため、表現を変更し、トークスクリプトに反映。結果、前月比でアポイント獲得率が3%増加しました。小さな言葉の調整が、成果向上に直結した事例です。


②受付ブロックの突破で担当者接続率が向上した事例

法人向けサービスの営業支援では、担当者接続率が15.6%と低迷していました。改善策として、受付ブロックを突破できた成功トークをチームで共有し、スクリプトに組み込みました。これにより、担当者接続率が17.1%まで向上しました。現場の成功体験を仕組み化したことが成果につながりました。

関連記事:今日から使える!テレアポで受付突破するフレーズと5つのコツを公開


③資料送付トークの工夫でアポ率が上昇した事例

法人向けサービスの営業支援では、アポイント率が1.2%と伸び悩んでいました。断りや興味関心が低い際は、「情報提供だけでも」と資料送付を積極的に打診するトークに変更。資料の活用事例を通して、顧客が利用シーンを具体的に想像できるようにしました。その結果、アポイント率が2.0%に向上。断りをチャンスに変えたスクリプト改善事例です。

関連記事:インサイドセールスの内製化を成功に導く8つのステップ!今すぐできる運用戦略


営業の質を高めるトークスクリプト活用術

継続的に成果を出すには、トークスクリプトの改善サイクルを回す体制構築が欠かせません。ここでは、組織全体のスキルを底上げするための具体的な活用方法を4つ解説します。


①ロールプレイング(ロープレ)で実践練習をする

作成したスクリプトは、実際の会話で自然に使えるかを確認する必要があります。社内でのロープレを通じて、トークのテンポ・声のトーン・言葉の抑揚を磨きましょう。

ポイント
・トークの台本を「相手の反応に合わせて使い分ける」練習を行う
・録音して聞き返すことで、改善点を客観的に見つめ直せる
・ロープレ評価シートを用いてフィードバックを収集する

現場経験が少ない新人育成では、スクリプト×ロープレの組み合わせが定着に適しています。

【ロープレ評価シートのダウンロードはこちら】

ロープレチェックシートのダウンロード


②CRM・SFAと連携して活用する

スクリプトは、営業支援ツール(CRM/SFA)と連携させることで、さらに効果を発揮します。通話履歴や顧客データと紐づけることで、「どのトークが成果につながったか」を分析できます。

実践例
・SFAにスクリプトのヒアリング項目を紐づけ、アポ取得率を自動集計
・顧客属性別の架電数、担当者接続数、断り率を抽出
・成果データをもとにスクリプトを最適化

これにより、属人的な営業からデータドブリンな改善体制へと移行できます。


③チームナレッジの共有・アップデートを行う

トークスクリプトは「個人のメモ」ではなく、「チーム共通の台本」として運用することが大切です。そのためには、共有方法を整備しておきましょう。

おすすめの共有方法
・社内Wikiやスプレッドシートでスクリプトを管理
・良いトーク事例をチャットツール(Slackなど)で共有
・定例会議で営業活動の振り返りや課題共有を行う

成功事例の共有を習慣化することで、チーム全体の営業力が底上げされます。


④トークスクリプトを教育ツールとして活用する

トークスクリプトは、新人研修・中途入社研修においても有効なツールです。現場で必要な営業知識や対応フローを可視化できるため、教育コストを削減できます。

活用方法
・スクリプトを使ったOJT研修
・FAQ、切り返しトーク集をセットで配布
・商材や業界用語のテストを実施して理解度を確認

教育と現場運用を一体化することで、誰が担当しても一定品質の営業対応が可能になります。

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まとめ:成果を生む営業の「型」をつくる

トークスクリプトは、安定した営業成果を再現するための型です。営業で最も重要とされるコミュニケーション能力を組織全体で高めるには、誰が話しても伝わるトーク設計が欠かせません。

現場の声を反映し、改善を重ねて、成果につながる営業トークを磨いていきましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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定期的にインサイドセールスや営業に関するノウハウ、セミナー情報を発信しています。

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