マーケティング

3C分析とは?初心者でも簡単に実践できるやり方をわかりやすく解説【テンプレート付き】

マーケティング
この記事は約11分で読めます。


「競合と差別化できる戦略を立てたいけど、どこから手をつければいいのかわからない…」
「顧客のニーズを把握してもっと効果的なマーケティングをしたい」

こうした悩みを抱えているマーケティング担当者や営業企画、経営企画の方にとって欠かせないのが「3C分析」です。

この記事では、3C分析の基礎知識から具体的なやり方、活用のメリットや、すぐに使えるテンプレートを解説します。

こんな方におすすめ
✓ 3C分析をこれから学びたい方
✓ 新しいサービスの市場を分析し、成功するための戦略を明確にしたい方
✓ 自社の現状を正確に把握して会社全体の方向性を定めるために3C分析を活用したい方

営業に役立つ情報が満載!

「アポイントが取れない...」
「営業人材を育てるのに時間がかかる」
そんなお悩みを抱えてはいませんか?

IS factory magazineでは、トークスクリプトや商談チェックシート、料金相場ガイドなどを無料でご提供しています。ぜひダウンロードして日々の活動にお役立てください。

3C分析とは?基本のフレームワークを解説

画像

3C(スリーシー・またはさんシー)分析は、マーケティング戦略を立案するための基本的かつ強力なフレームワークです。

・Customer(市場・顧客)
・Company(自社)
・Competitor(競合)

この3つの視点をバランスよく分析し、競争優位性を確立する戦略を立案します。

提唱者は日本の経営コンサルタントである大前研一氏。著書『The Mind of the Strategist(ストラジック・マインド―変革期の企業戦略論)』の中で、成功する戦略には3Cの徹底分析が不可欠だと述べています。

画像

「市場・顧客」「自社」「競合」の3つの要素の重なりによって、次のような戦略が明確になります。

・勝てるフィールド(市場・顧客×自社)
自社の強みと市場ニーズが合致している領域。競合が少なく、自社が優位性を発揮できるため、積極的に攻めるべき市場です。

・激戦区(市場・顧客×競合)
市場ニーズはあるものの、競合も同様に強みを発揮している領域。価格競争やサービス品質の向上など、差別化が難しいフィールド。

・差別化領域(市場・顧客×自社×競合)
市場ニーズが高く、自社と競合がどちらも力を入れている領域。自社独自の強みを打ち出し、競合にはない付加価値を提供することが求められる。

画像


関連記事:従来のマーケティングファネルは古い!?ファネルの基本から最新トレンドまでを徹底解説!


なぜ3C分析が重要なのか?他フレームワークとの違い

ビジネス環境を分析する手法には、SWOT分析やPEST分析などがあります。

・SWOT分析:内部要因(強み・弱み)と外部要因(機会・脅威)を整理
・PEST分析:政治・経済・社会・技術のマクロ環境を把握
・3C分析:市場・自社・競合の関係性を深掘り

つまり3C分析は、顧客を中心に捉え、競合と自社を比較しながら「勝てる市場」を見極めるのに最適な手法なのです。

関連記事:SWOT分析とは?意味・やり方・成功事例をわかりやすく解説【テンプレート付き】


3C分析を活用するメリット

企業が成功するためには、市場の変化や競合の動向を把握し、適切な戦略を立てる必要があります。3C分析派、戦略立案を科学的にサポートし、企業が勝ち抜くための道筋を示してくれます。

また、3C分析を行うことで以下のメリットがあります。

メリット①:根拠のある戦略立案ができる

戦略を立てる際、感覚や経験だけに頼るのは危険です。3C分析を行うことで、データと事実に基づいた戦略立案が可能になります。これにより、経営判断の精度が高まり、戦略実行の成功率が高まります。

<具体的なメリット>
・市場や顧客のニーズに基づく戦略立案:3C分析により、市場の現状や消費者のニーズを正確に捉えることができ、無駄のない戦略を立てられます。

・リスクの早期発見と回避:市場や競合の動きを予測し、リスクを未然に防ぐための対策が取れます。
3C分析は単なる理論ではなく、実際に自社の経営に役立つツールです。戦略立案の際に活用することで、経営判断をより確実なものにします。


メリット②:競合との差別化が可能になる

競合と同じ戦略では、差別化ができず、価格競争に巻き込まれてしまう可能性があります。3C分析を通じて競合との差別化ポイントを明確にすることができ、他社との差をつけられる戦略が立てられます。

<差別化のポイント>
・独自の商品やサービス:自社の強みを活かして、競合他社と差別化する商品やサービスを提供できます。例えば、品質やデザイン、機能性において他社に負けないポイントを強調できます。

・マーケティング手法の差別化:広告やSNSなどのマーケティング活動を工夫することで、ターゲット層に対して訴求力を強化できます。

・価格競争:価格だけではなく、付加価値を提供することで競合との差別化が可能です。例えば、無料のサポートや長期保証などで顧客に対する付加価値を高めることができます。

競合との差別化を図ることは、マーケティング戦略や新商品の開発において非常に重要です。3C分析はその強力な手助けをしてくれます。


メリット③:顧客ニーズを正確に捉えられる

顧客のニーズを的確に捉えられることができれば、商品開発やサービス改善が進みます。3C分析を行うことで、市場のトレンドや顧客の要望を正確に把握でき、ビジネスを成長させるための土台を築くことができます。

<顧客ニーズを捉える方法>
・市場調査:アンケートやインタビューを通じて顧客の声を直接収集し、そのニーズを分析します。これにより顧客が本当に求めている商品やサービスを提供することができます。

・購買データの分析:過去の購買履歴やトレンドデータを分析することで、顧客がどのような商品を好むのか、どのタイミングで購入しているのかを把握できます。

・SNSや口コミの活用:SNSやオンラインレビューなどを通じて、リアルタイムで顧客の意見を集めることができます。これにより、ニーズの変化に即座に対応することが可能になります。

顧客ニーズを捉えた戦略を立てることで、よりターゲットに合った商品やサービスを提供でき、売上の向上が期待できます。


3C分析の具体的なやり方【初心者向けステップ】

画像

3C分析は、市場、競合、自社の3つの要素を詳細に分析し、事業戦略を立てるための強力なフレームワークです。以下のステップに従って3C分析を実施していきましょう。


Customer(市場・顧客)の分析方法

市場や顧客を正しく理解することは、戦略立案の基本です。まずはターゲット市場とその動向、顧客のニーズを把握することから始めましょう。

画像

<分析のステップ>
・市場規模と成長の把握:現在の市場規模や成長性を調べます。市場がどう拡大しているかを把握することで、参入するべきかどうかを判断できます。

・顧客ニーズの調査:顧客層を年齢、性別、ライフスタイル、購買行動などで細かくセグメントし、最も効果的なターゲット層を明確にします。

・購買行動の分析:顧客が求めている価値や問題点を把握します。アンケートやインタビュー、購買データを活用して、行動パターンを可視化。

これらを踏まえて、どの市場に注力すべきか、どのような商品・サービスを提供すべきかを決定します。

おすすめツール:
Googleトレンド:トレンドキーワードを分析
Statista:市場規模や統計データを取得

関連記事:カスタマージャーニーとは?基本の概念やマップの作り方を実例で解説


Company(自社)の分析方法

自社の強みや弱みを分析することは、競争優位を築くために不可欠です。自社の資源、能力、特徴を正確に把握し、どこを強化すべきかを考えます。

画像

<分析のステップ>
・強みと弱みの明確化:自社の技術力、ブランド力、コスト構造を分析し、強みと弱みを可視化します。
・リソース状況の把握:人材、資金、設備などの内部リソースを整理します。
・過去データの活用:売上データ、顧客満足度調査、成功事例の分析など。


Competitor(競合)の分析方法

競合分析を行うことで、自社が市場でどの位置にいるのか、どの競合と競争しているのかが明確になります。競合の強みと弱みを理解し、差別化戦略を打ち立てます。

画像

<分析のステップ>
・競合のシェアと戦略:プレスリリースや決算報告をチェック。
・強みと弱みの分析:競合のサービス内容や価格、口コミを比較します。
・デジタルプレゼンスを調査:Webサイト、SNS、レビューサイトを分析し、オンライン上でどう見えているか確認します。

競合の動向を把握することで市場での自社の立ち位置を決定し、差別化戦略を考える基盤が作れます。


3C分析を実践するためのテンプレート

3C分析をスムーズかつ網羅的に行うためには、テンプレートを使って情報を整理するのが効果的です。ここでは、3C分析を効率よく進めるためのテンプレートと、具体的な使い方を解説します。


テンプレートの使い方

3C分析のポイントは、Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)の3つの視点をバランスよく分析することです。テンプレートを使えば、情報を体系的に整理し、漏れや偏りを防げます。

まずは以下のようなフォーマットを作成しましょう。

3C分析テンプレート


3C分析テンプレート記入例
3C分析の記入例

<テンプレートの活用ポイント>
・情報を網羅的に整理:上記のような形式にすることで、視覚的に情報を把握しやすくなります。
・客観的なデータを使う:市場データや調査結果、競合の公開情報など、信頼できるデータを集めて記入しましょう。
・分析結果を施策に落とし込む:テンプレートにまとめた情報をもとに、具体的な戦略を立案することが重要です。


記入例(架空の企業を使った具体例)

ここでは、架空の企業「A社」(オンライン学習サービスを提供する企業)を例に、3C分析のテンプレートをどのように埋めるかを具体的に解説します。

実際の自社の状況に置き換えながら参考にしてください。

3C分析記入例②

<記入例のポイント>
・現状を正確に把握:客観的なデータを基に現状を記入することで、正しい戦略が立てられます。
・具体性を持たせる:「市場拡大」「競争激化」といった抽象的な表現ではなく、「年々〇%の成長」など具体的な数値を用いると説得力が増します。


3C分析を行う際の注意点とよくある失敗

画像

3C分析は戦略立案の強力なツールですが、正しく活用しないと的外れな戦略に繋がってしまいます。

ここでは、3C分析を行う際に気をつけるべきポイントと、よくある失敗について具体例を交えて解説します。失敗を回避し、効果的な分析を行うためにしっかりと確認しておきましょう。


情報が不十分なまま分析を進める

3C分析における最も重要なステップは「正確で十分な情報を集めること」です。しかし、限られたデータや主観的な意見だけで進めてしまうと、分析の質が大きく低下します。

<具体的な失敗例>
・市場・顧客(Customer)の情報不足:市場規模や成長性、顧客ニーズについて十分な調査を行わず、過去の経験や感覚だけで分析を進めた結果、需要の低いサービスを展開。

・競合(Competitor)のリサーチ不足:競合の商品特徴や価格戦略を正確に把握せず、類似商品との差別化ができずに市場で埋もれる。

・自社(Company)の強み・弱みの誤認:自社のサービスや製品を過大評価し、顧客にとっての価値を見誤る。

<失敗を防ぐための対策>
・定量データと定性データの両方を活用:市場調査レポート、統計データ、アンケート結果などの定量データと、インタビューやレビューのような定性データを組み合わせる。

・競合の徹底分析:競合の商品レビュー、価格、マーケティング戦略、顧客満足度を調査し、差別化ポイントを明確化。

・客観的視点を取り入れる:社内メンバーだけでなく、外部の専門家や顧客の声を積極的に取り入れる。


自社視点に偏りすぎる

3C分析の目的は、市場と競合、自社の関係を客観的に分析し、最適な戦略を導き出すことです。しかし、自社の強みや課題ばかりに目を向けると、顧客や競合の視点を見落とし、ニーズに合わない戦略になる可能性があります。

<具体的な失敗例>
・自社の製品やサービスを過大評価:「うちの商品は品質が高いから売れるはず」といった思い込みが強く、実際の市場ニーズや競合状況を無視。

・顧客の声を軽視:ユーザーのフィードバックを十分に収集せず、企業側の考えだけで施策を決定。

・競合分析の不足:競合の商品やサービス、価格戦略を正確に把握せず、差別化が難しくなる。

<失敗を防ぐための対策>
・市場と顧客の声を重視:定期的なアンケートやインタビュー、SNSの口コミ分析を通じて、顧客の本音を収集。

・競合分析を徹底:競合の成功事例や失敗事例を研究し、自社の戦略に活かす。

・外部視点を導入:コンサルタントやマーケティング専門家に意見を求め、客観的な視点を取り入れる。


分析結果を施策に落とし込まない

3C分析を行っただけで満足し、具体的なアクションに繋げないケースも少なくありません。分析はあくまで戦略立案のための手段であり、結果をどう活かすかが成果を左右します。

<具体的な失敗例>
・分析結果を報告資料のみに留める:3C分析を行っても実務に活かさずに社内資料として埋もれる。

・施策の具体性が欠ける:分析結果を基にした戦略が抽象的で、具体的なアクションプランやKPIが定まらない。

・PDCAサイクルの欠如:分析結果をもとに施策を実行しても、その成果を検証せず、改善に繋げない。

<失敗を防ぐための対策>
・アクションプランを明確化:分析結果をもとに、短期・中期・長期の施策を具体的に設定。

・KPIを設定:施策の成果を測定するための指標を設け、定期的に進捗を確認。

・PDCAサイクルを回す:実行→検証→改善のプロセスを繰り返し、戦略の精度を高める。


まとめ:3C分析を活用して成果を出すために

3C分析は、市場・顧客、自社、競合の3つの視点を通じて根拠のある戦略を立案するための強力なフレームワークです。

成功のカギは、正確で十分な情報収集、客観的な視点、そして分析結果を具体的な施策に落とし込むことにあります。

【3C分析を成功させるためのポイントまとめ
・情報収集を徹底:客観的かつ網羅的なデータをもとに分析を行う。
・顧客と競合視点を重視:自社視点に偏らず、市場と競合の状況を正確に把握する。
・分析結果をアクションに繋げる:明確な戦略を実行計画を立て、PDCAサイクルを回す。

これらのポイントを意識しながら3C分析を活用することで、競争優位性を確立し、事業成長に繋がる戦略を立てることができます。

実務にしっかりと落とし込み、成果を出していきましょう。


+ posts

IS factory magazine(アイエス ファクトリーマガジン)編集部です。2022年開設。
定期的にインサイドセールスや営業に関するノウハウ、セミナー情報を発信しています。

PAGE TOP