営業において「質問力」は、単なるコミュニケーションスキルだけではなく、商談の成約率を大きく左右する重要なスキルです。適切な質問を投げかけることで顧客のニーズを的確に引き出し、最適な提案に繋げることができます。
本記事では、営業で活用できる「オープン・クエスチョン」と「クローズド・クエスチョン」について詳しく解説し、商談での実践例を紹介します。
お客様のニーズを引き出す会話のテクニック

お客様との距離を縮めるためには、相手を知ることが必要です。そのための会話のテクニックとして、「オープン・クエスチョン」と「クローズド・クエスチョン」という言葉があります。これは相手に有効的な質問をすることで真意を引き出すことができる、心理学に基づいた会話術のひとつです。
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オープン・クエスチョンとは?営業で活用する方法と具体例

オープン・クエスチョンは、5W1H『when(いつ)、where(どこで)、who(誰が)、what(何を)、why(なぜ)、how(どのように)』に基づき、相手が自由に回答できる質問のことを指します。営業のヒアリングや課題の深掘りに役立ちます。
具体的な質問例
・商談の冒頭(顧客の状況把握)
「現在、営業活動でどのような課題を感じていますか?」(What)
・商談中盤(ニーズの深掘り)
「どのようなサービスであれば課題解決に繋がると感じますか?」(How)
・商談の終盤(導入意向の確認)
「弊社の提案について、どの点に魅力を感じましたか?」(What)
クローズド・クエスチョンの強みと活用シーンを具体例で解説
クローズド・クエスチョンは、「はい」か「いいえ」、または「A」か「B」のように、限定的な回答を求める質問です。商談の方向性を整理したり、意思決定を促す場面で有効です。
具体的な質問例
・商談のクロージング(意思決定の確認)
「AプランとBプランのどちらが御社にとって適していますか?」
・次のアクションの確認
「この内容で進める場合、来週お打ち合わせの調整を進めてもよろしいでしょうか?」
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営業成約率が変わる!質問力を鍛える正しい使い分け
オープンクエスチョンとクローズド・クエスチョンは質問内容によって相手の回答が異なるため、特徴を理解する必要があります。
質問の仕方によっては返って相手が不快に感じてしまうこともあるので、活用シーンを選んで使い分けるのがおすすめです。
オープン・クエスチョンのメリット、デメリット
ではここで、オープンクエスチョンとクローズド・クエスチョンのそれぞれのメリット、デメリットをご紹介していきます。
オープン・クエスチョンのメリット
・多角的に考えられる
・新しい発想が生まれる
・自由に回答できる
・コミュニケーションが深くなる
オープン・クエスチョンのデメリット
・回答するまでに時間がかかる
・会話をコントロールしにくい
・質問によっては回答しにくい場合もある
・会話が離脱しやすい
オープン・クエスチョンは自由に回答できるため、相手に考える時間を与え、幅広い回答が得やすいです。ですが、質問内容によっては考えるのに時間を要し、相手に負担をかけてしまう可能性もあるので質問の多用には注意しましょう。
オープンクエスチョンはヒアリング時に活用することでお客様のお悩みや課題を引き出すことができます。
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クローズド・クエスチョンのメリット、デメリット
クローズド・クエスチョンのメリット、デメリットは以下が挙げられます。
クローズド・クエスチョンのメリット
・答えが明確
・短時間で回答できる
・会話をコントロールできる
・回答しやすい
クローズド・クエスチョンのデメリット
・会話が広がらない
・意見やアイディアが出にくい
・回答者が設問されているように感じる
・コミュニケーションが簡素になる
クローズド・クエスチョンは、「はい」か「いいえ」、または「A」か「B」と明確に答えることができるので、短時間で回答を得られます。
ですが、そのぶん会話が広がらず、コミュニケーションが簡素になる傾向があるので、どちらも使い分けが大切です。クローズド・クエスチョンはアポイントの日程調整や商談、クロージング時に使うのが効果的と言えるでしょう。
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おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回は、「オープン・クエスチョン」と「クローズド・クエスチョン」について解説しました。

これらの会話のテクニックは、営業の場面だけでなく、日常会話でも使えるテクニックです。普段から活用しておくことで、お客様との商談が入った時でもスムーズに話せるようになります。
初めから会話が上手な人はいません。上手くなるには繰り返し言葉にしながら身につけていくものです。質問力を磨いてお客様のニーズを引き出せるよう、日頃から鍛えておきましょう。
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