最近、営業職の間でよく耳にするようになった「インサイドセールス」。
言葉の響きから、なんとなく「内勤の営業職」ということは連想できると思いますが、
「実際どんなお仕事なの?」
「それってメリットはあるの?」
「将来性は?」
など、インサイドセールスの役割や重要性、インサイドセールス職の将来の展望について探っていきます。
インサイドセールスとは
電話やメール・WEB会議システムなどを駆使して、訪問せずに営業活動を行うことを「インサイドセールス」と言います。
直接訪問するのではなく、遠隔で営業活動を行うのがこのインサイドセールス(内勤型営業)の特徴です。
反対に、訪問で営業を行うことを「フィールドセールス」(外勤型営業)と言います。
日本で内勤営業と聞けば「テレアポの仕事」と解釈されがちですが、インサイドセールスの先進国アメリカでは潜在顧客に対するアプローチから契約締結まで全ての営業フローを完結することを指します。
現在はどの業界も競争が激化しており、その競争に勝つ為には新規顧客開拓をいかに効率的に行うかが重要です。
営業活動は世界的にインサイドセールスへシフト
inside sales.comでは以下の調査結果が報告されています。
■ 欧米におけるインサイドセールスの割合は40%強
inside sales.comの調査によると、米国のセールスチームのうち、
インサイドセールスは43.5%を占めていいます。(2017年)
■訪問営業とのバランスが均衡
inside sales.comが行った、米国の国勢調査データを用いた予測によると、
2017年米国内の営業マンのうち43.5%がインサイドセールス担当者と推定され、訪問営業とインサイドセールスのバランスは徐々に均衡にシフトしています。
さらに注目すべき点は、訪問営業の担当者が電話やメールなどの非対面営業について45.4%の時間を費やしているということです。
■ 国内でのインサイドセールス導入の動き
Googleトレンドによると「インサイドセールス」の検索は2016年以降、急激に伸びています。
■国内でのニーズが高まる背景
国内でインサイドセールスが注目されるようになった背景として、以下が挙げられています。
✔︎ セキュリティの向上によりアポなし訪問が難しい
✔︎ 営業効率の改善
✔︎ 競合対策
✔︎ コロナ渦により企業訪問を控えなければいけない
✔︎ セキュリティの向上によりアポなし訪問が難しい
法整備のもと、企業は情報管理やセキュリティ対策に一層の取組みを行なっています。その為、ひと昔前のような「飛込み営業」が難しくなってきており、新たな新規開拓の手法に取り組むことが必要です。
✔︎ 営業効率の改善
営業効率を挙げるには必要最小限の人数で、より多くの企業へアプローチすることが重要です。
✔︎ 競合対策
競合他社よりも多く接点をとり、関係性を強化させることで売上に繋げる戦略として導入されています。
✔︎ コロナ渦により企業への訪問を控えなければならない。
新型コロナの感染対策として、企業が訪問を望まないケースも増えています。ZOOMを中心としたビデオ会議システムも、コロナ禍で多くの企業が半ば強制的に導入され、奇しくもリテラシー問題が一気に解消。
ビデオ会議での商談打診が一般化されたことで、オンライン商談は益々需要が高まっていきます。
インサイドセールスの重要性
営業活動のオンライン化により、インサイドセールスがさらに日本国内でも浸透してきましたが、以下のような点でより重要視されています。
顧客関係の構築
インサイドセールスは、定期的なコンタクトやフォローアップを通じて顧客との関係を構築します。
これにより、顧客のニーズや要望を理解し、よりパーソナライズ化されたサービスやプロダクトの提供が可能となるのです。
コストの効率性
インサイドセールスは外部への移動や出張が必要ないため、営業活動のコストを削減することができます。
また、デジタルツールやCRMシステムの活用により、業務プロセスの効率化が図られます。
見込み顧客の獲得に寄与
インターネットやSNSを活用して営業活動を行うことで新たなリードを発掘することが可能です。これにより、より多くの潜在顧客にアクセスし、ビジネスの成長を促進することができます。
効果的なデータ分析と改善
インサイドセールスは、データ分析を通じて顧客の行動や傾向を把握し、営業戦略の改善に役立ちます。
顧客の反応やフィードバックを分析し、より効果的なアプローチを見つけることができるのです。
インサイドセールスに必要なスキル
インサイドセールスを成功させるために必要なスキルは多岐にわたりますが、以下のようなスキルがあると望ましいでしょう。
コミュニケーションスキル
顧客との会話が主な活動になるため、コミュニケーションスキルが必要になります。「接客経験がある」「商談を担当していた」など、優れたコミュニケーションスキルを持ち、明確かつ説得力のある会話をできることが重要です。
忍耐強さと粘り強さ
営業活動中にせっかく取ったアポイントがリスケになったり、顧客から冷たい反応をされるといったケースも少なくありません。そのため、忍耐強さと粘り強さが必要になります。継続的なフォローアップやリードの追跡を行うことが大切です。
問題解決能力
顧客のニーズや課題を理解し、それに対する最適な解決策を提供するスキルが求められます。顧客の課題に対して的確かつ迅速に対応することが重要です。
ツールやシステム知識
インサイドセールスでは、CRM(顧客関係管理)システムやその他の営業支援ツールを活用します。これらのツールを効果的に活用し、顧客情報の管理や営業プロセスの改善に役立てる能力が求められます。
チームワークと協調性
インサイドセールスは複数のチームや部門と連携して行われます。ひとりで作業するのとは違い、チームで話し合うなどの連携が必要となるため、協調性があるとチーム間で良好な関係を築くことができ、業務を円滑に進めることができます。
分析能力
ツールやシステムを活用することの多いインサイドセールスでは、分析能力が重要です。
顧客の行動やトレンドを分析できれば、営業戦略の改善に役立てることが可能です。データから洞察を得て、戦略的な意思決定を行う能力が求められます。
効果的なインサイドセールス
インサイドセールスを成功させるためには、スキルだけではなく成功事例や手法を学ぶことも大切です。では、どのような戦略やテクニックが必要なのでしょうか。
顧客へ定期的なフォロー
顧客との関係を構築するには、フォローアップが必要です。お知らせや新しい情報がある場合は定期的にメールを送るなどして連絡を取りましょう。
パーソナライズな提案
顧客に対しては一般的なアプローチよりも、パーソナライズ化されたアプローチが効果的です。顧客のニーズや興味に合わせた情報を送るなど、適切な提案を行いましょう。
価値提供
インサイドセールスでは、製品やサービスの価値を顧客に伝えることが大切です。顧客がサービスを利用することでどのようなメリットがあるのか、価値を明確に伝えましょう。
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インサイドセールスの将来性
これまで「オンライン商談」は一部の先進的企業が取り入れていた手法ですが、コロナ禍により一気に一般化へと広まりました。
企業も「まずは一度、オンラインで打ち合わせしませんか?」の打診を受けることに抵抗感も無くなり、これまでのように商談=対面という常識は大きく変わってきています。
「まずは会う」「ご挨拶に伺う」という会うことを前提とした営業活動は大きく見直しされ、「必要がある時に会う」という顧客側の変化に適応していくことが必要です。
インサイドセールスはまさに、これからの時代の営業活動にマッチした営業手法と言えるでしょう。
おわりに
今回はインサイドセールスの役割や必要なスキルなど、基礎知識についてお話しました。
時代は常に変化しているものであり、変化に適応した手法を見つけていきたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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IS factory magazine編集部です。2022年開設。
定期的にインサイドセールスや営業に関するノウハウを発信しています。